ノキアが発売したNokia 8110 4G。通称「バナナフォン」。ECサイト「京東」で予約を始めたところ、わずか2日で6万件を突破し、現在は10万件を突破するヒットになっていると安卓中国が報じた。
ノキアの人気フィーチャーフォンがカムバック
Nokia 8110 4G Reloadedは、名前からも分かる通り、1999年の映画「マトリックス」の中でキアヌ・リーブズが使っていて話題にもなったNokia 8110の復刻版。湾曲したボディで、スライドをするとテンキーが現れる仕組みで、イエローのものはその見た目から「バナナフォン」と呼ばれている。
▲Nokiaもバナナをフィーチャーした広告を展開している。
▲ノキアの公式プロモーションビデオ。スマホ時代にこのスタイルはかえって新鮮に感じる。
KaiOSを搭載し、アプリも追加可能
もちろん、スマートフォンではなく、フィーチャーフォンだが、KaiOSが搭載されているため、アプリに相当するものを追加することができる。感覚としては、スマートとフィーチャーのハイブリッドだ。
低スペックの携帯電話でも軽快に動作するというのが最大の特長で、インドでは数社の国内系携帯電話に採用され、iOSのシェアを上回っている。グーグルがKaiOSに2200万ドルの投資を行ったことでも話題になった。
このNokia 8110は、そのKaiOSを採用した機種としても話題になっている。
▲バナナフォンには黒と黄色の2色があるが、圧倒的に人気なのが黄色だ。
ロングバッテリー、価格は1万円以下
4G、WiFi対応、待受17日間、連続通話11時間というフィーチャーフォン並みのバッテリー持ち時間。
売れた最大の理由は、499元(約8000円)という価格の安さだ。中国のスマートフォン普及率は都市部では90%を超えているが、全国にすると70%弱。約3億人がフィーチャーフォンを使っていることになる。このような層が、スマートフォンの入門機として乗り換える可能性がある。
また、都市部では画面サイズの大きなスマートフォンが好まれる傾向があり、次第にタブレットとの境界が曖昧になってきている。しかし、画面サイズが大きいと電話そのものがしづらいために、フィーチャーフォンとスマートフォンの2台持ちをするという人も多い。そのような層にも需要がありそうだ。
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▲中国のネットメディアもバナナフォンを取り上げている。すでにゲームアプリなどもあり、意外にKaiOSはシェアを取るかもしれない。
「スマホ決済に対応してくれたら買う」の声
特に、香港やアジア圏に出張することが多い人は、現地のSIMを使う必要がある。Nokia 8110は、2G/3G、4GとSIMスロットが2つあり、切り替えて使うことができる。こういう出張族も注目をしているようだ。
記事に対して、多くのコメントがついたのが「アリペイ」「WeChatペイ」のQRコード方式のスマホ決済への対応。QRコードを表示、読み取りできればいいだけなので、技術的には対応できる。今は、アリババ、テンセントとも何もアナウンスしていないが、コメントの多くが「スマホ決済に対応してくれたら、間違いなく買いなんだけどなあ」と言っている。
万が一、スマホ決済がKaiOSに対応することでもあれば、Nokia 8110は「話題になる程度のヒット」ではなく、一気にメジャーな機種のひとつになることすら考えてしまうほどの人気だ。
数ヶ月後、中国の携帯電話販売ランキングに、久々にノキアの名前が登場するかもしれない。