2019年5月から天津市で「天津市文明行為促進条例」が施行されている。これに合わせて交通違反のスマホ通報を奨励したところ、わずか2日で8種類の違反で合計1775件以上の通報があったと人民日報が報じた。
わずか2日かで1775件の通報が
天津市では、「天津市文明行為促進条例」と同時に、「天津市道路交通違反行為通報奨励法」も施行された。これに基づき、スマホ通報システムがスタートした。
5月1日から2日昼までの統計では、この通報システムに1万7181名の市民が実名登録をし、写真付きの通報が1775件あった。
通報の仕方は、スマホで写真を撮影し、WeChatミニプログラムの「天津市交通違反通報」または「天津公安」アプリから送る。96%の通報はWeChatミニプログラムからのものだった。
▲市民が警察官となり、交通違反を撲滅していこうという天津市の試みは、他都市からも注目をされている。
通報すると最高100元の報奨金がもらえる
いずれの場合でも、事前にユーザー登録が必要で、実名の登録のみ可能。さらに銀行口座情報なども入力しなければならない。
けっこう面倒なのに、なぜ多くの市民が登録をして、通報をするのか。それは通報をすると、違反の重要度によって20元(約300円)から100元(約1600円)の報奨金がもらえるからだ。一般の違法行為の場合は20元、ナンバープレートの隠蔽、偽造については100元がもらえる。いずれも人民警察が捜査をして、検挙に結びつくと報奨金が銀行口座に振り込まれる。ただし、1月で最高1000元(約1万6000円)までとなっている。
▲天津市交通違反通報ミニプログラム。SNS「WeChat」で検索をするだけで見つかる。アプリをインストールしておく必要はない。通報に対しては、最高100元までの報奨金がもらえる。
最も多かったのは高速道路の路側帯走行
最も通報が多かったのは、高速道路の路側帯走行だ。ちょうど5月1日から始まる連休中であり、高速道路はどこも大渋滞だった。それで路側帯を走ってしまう人が続出する。一方で、走行車線で渋滞で止まっている人は暇なので、写真を撮影して通報したのだと思われる。
路側帯走行は、中国では珍しくない違反だが、公安交通管理部門では重要な違反と考えている。万が一の場合、救急車などの緊急車両が通行できなくなり、人命に関わる可能性があるからだ。罰金は200元、減点6とかなり重大な違反になっている。
▲2日間の間にあった通報の内訳。ナンバーの隠蔽、偽造の通報がけっこうな数あるのが中国らしい。
次はドライブレコーダー映像を送信できるようにする
天津市交通管理局では、公共バスやタクシーなどのプロドライバーからの通報を受け付けられるようにする予定だ。運転中にスマホ操作をすることはできないので、音声で操作できるようにし、ドライブレコーダーの映像を直接交通管理局に送れる仕組みを構築する。すでに、3社のドライブレコーダーメーカーがこの仕組みに参加することを表明している。
これが実現すると、ドライバーは乗車前にスマホで、ドライブレコーダー上のQRコードをスキャンして、紐付けを行い、運転中に違反行為を発見したら、ウェイクワードを声に出し、違反の内容を声で言うだけで、位置情報、ドライブレコーダー映像などが交通管理局に送れるようになる。
交通違反がなかなか減らない中国各都市で、この天津市の試みが注目されている。
▲路肩走行通報のやり方のガイド。「ナンバーをはっきりと写す」「路肩を占有していることを写す」「時間をおいて、路肩を走行していることを写す」などけっこう面倒くさい。このガイド通りに通報しているかはともかく、2日間で1万7181名の市民が実名登録をした。
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