昨年9月より、北京オリンピック公園の歩道は、無人運転清掃車が掃除をしている。百度は無人運転技術「アポロ」を使用した10車種を公開したが、この清掃車は実用第一号になるとAutoLabが報じた。
オープンプラットフォームで進める百度の「アポロ」
ドライバーレスカー(無人運転自動車)の開発は、米国グーグル(ウェイモー)と中国百度がリードをしている。百度のドライバーレスカープロジェクト「アポロ」の大きな特徴は、オープンプラットフォームだということだ。百度が開発した自動運転技術を、参加企業は一定の条件下で無料で利用することができる。多くの中国企業が参加をしているが、海外からもボッシュ、ダイムラー、フォードなどの自動車関連企業、インテル、マイクロソフト、NVIDIAなどのIT企業も参加をしている。
このようなオープンプラットフォームにする最大のメリットは、多角的な「知恵」を集めることができることだ。日本や米国でのドライバーレスカーは、乗用車が中心になりがちだが、中国のアポロ計画では、商用車の無人運転化も進んでいる。物流トラック、長距離バス、路線バスなどの無人運転車の開発が進められている。
例えば、物流トラックの場合、走るルートはほぼ決まっていて、高速道路が中心になる。また、途中であちこち寄る必要もないので、要求される運転技術は基本的なものだけになる。無人にすることによってコストが下がるという直接のメリットが大きい。実用化を考えたら、乗用車よりもはるかにハードルが低いのだ。
▲百度が公開した無人運転車10車種。小型バス1車種、作業車1車種、乗用車8車種だ。まずは作業車などの商用車から販売が始まる。
公園の歩道を清掃するカタツムリ
このアポロ計画の中で、すでに実用化して、使われているドライバーレスカーがある。それは、智行者科技が開発をした「蝸Ω」だ。蝸(カタツムリ)という名前からも分かる通り、低速走行車のシリーズ名で、用途としては道路清掃車、工場内物流運搬車、閉鎖区域内カートなどに応用される。
昨年12月20日、百度はアポロ計画から生まれた10種類の無人自動車を公開したが、その中の1台がこの「蝸Ω」で、すでに昨年9月から北京オリンピック公園の歩道の清掃に利用をされている。作業は、閉門後の夜間に行われるので、原則、人身事故の危険性はない。
▲北京オリンピック公園内を清掃する「蝸小白」。実際は、閉門後の夜間に作業が行われる。画像解析には頼らないので、夜間でも問題なく、自動運転が可能。
▲公開された清掃車「蝸小白」。すでに昨年9月から北京オリンピック公園の夜間清掃を行っている。右は、貨物運搬をする無人運転車「蝸必達」。
▲操作、管理はすべてウェブから行う。ルート設定をしておけば、その通りに作業を進めてくれる。
百度は、年内に無人運転車の販売を開始する
この清掃車「蝸小白」は、8つのミリ波レーダー、2つのレーザーを備え、アポロ1.5の自動運転システムを搭載している。5から10cmの精度で、道路や障害物を把握し、時速は最高20km。操作、管理はすべてウェブからできるようになっている。
智行者科技は、この自動
運転清掃車「蝸小白」を、他の公園や大学、工場などに広げていきたいとしている。考えてみれば、大型のルンバのようなもので、自動運転技術を最も実用化しやすい領域だ。このようなところから、すでに自動運転の時代が始まっている。
次は、閉鎖区域内での貨物運搬車が焦点になる。工場内での貨物配送などだ。まずは、万が一事故が起きても被害の少ない貨物から始まり、今後、公道での作業車、そして人を輸送する自動運転車とステップアップをしていくことになる。百度では、年内に、一般の人が購入できる無人運転車を発売すると公言している。
▲運搬をする無人運転車「蝸必達」も公開試験が行われ、発売目前だ。工場内、大学内、マンション内での配送、貨物輸送に使われる。
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