重慶の盛捷高科技が開発した、斜め駐車をすることで24台分のスペースに40台が駐車できる装置が話題になっている。斜め駐車といっても、その方向が斜め上。車を乗せたままリフトが28度から32度傾斜し、車間を詰めていく方式だと上游新聞が報じた。
人間は平面状態のリフト上に駐車するだけ
この、まるで収納上手のコンサルタントが発想したような駐車リフトは、もちろん人間が運転をして、このリフトの上に駐車するのではない。リフトの間にある通路に1台分のリフトが出てきていて、最初は平面になっている。その平面状態のリフトに停車をするだけでいい。車を離れると、リフトが上昇し、同時に横に動き収納される。
車を出す時は、自分の車が乗ったリフトが通路に出てきて、平面に戻る。それに乗って出発すればいい。
駐車にかかる時間は1分以内。しかも、空いている駐車スペースを自分で探す必要はなく、直進してリフトの上に駐車をすればいいだけで、運転者も楽になる。また、各リフトに電気自動車用の充電装置も完備している。
駐車場側は同じスペースにより多くの車を収納することができる。約65%も駐車数を増やすことができる。コストはかかるが、立体駐車場を建設するよりは安い。
▲リフトの上に駐車した車は、リフトが30度程度上昇し、「収納」された状態で駐車される。24台分のスペースに40台が収納できる。
▲出庫する時は、リフトが通路まで出てきて、平面に戻る。運転手がそれから乗り込んで出発する。
二階式駐車場と比べて数多くのメリットが
特に注目されているのが、二階式駐車場との比較だ。この斜めリフトは二層式よりもコストが安い。しかも、二階式駐車場は下段の車を出さないと、上段の車を出せない。これを避けようとすると、パレットが横にも動いて昇降できるにしなければならない。同じスペースに2倍の車が駐車できるとはいえ、駐車、出庫に時間がかかる。なおかつ、パレットの操作は危険が伴うので、専門スタッフが操作、監視することが必要になる。
一方で、この斜め方式は、設置コストが安く、駐車、出庫にかかる時間は1分以内。リフトの移動中には、自動的にゲートが閉じて、通路内に立ち入らせないようにすれば、監視員も不要で、利用者自身が操作盤やスマートフォンを使って、自分の車を出庫させることができる。
▲寸法図。二階式駐車場に比べて収納効率は劣るが、設置コストが安い、監視員が不要、駐車、出庫に時間がかからないなどさまざまな利点がある。
▲斜め上のリフト式駐車場。上がった状態のリフトに駐車するのではなく、畳んで平面上になったリフトが通路に出てくる。
利用者からは、空きスペースを探さなくていいので便利という声
この駐車システムは、現在、重慶市の科創センターの駐車場で試験導入され、決済システムなどとの連携が検証されている。すでに、利用者からSUVなどの大型車両が駐車できないという不満が上がっており、盛捷高科技では、より大型化する改造も進めている。
利用者からは、斜めに止めるということよりも、「自分で空きスペースを探さなくていい」という点が好評だという。ショッピングセンターの駐車場などで、広がっていくかもしれない。
▲最終的にはリフトが上がって、この状態での駐車となる。現在は、横の決済端末にカードやスマホをかざして決済をする。
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