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大型会場、駅、空港の警備は二輪車で。各地警察が正式採用

中国製のセグウェイタイプの二輪車「Pevia」が、杭州G20サミットの警備に採用されたことで、成都などの警察で採用され始めている。歩道を時速20kmで走行できることから、大型イベント会場、駅、空港などの警備、警邏に使われることになると特種装備網が報じた。

 

イベント会場などの警備に使われる二輪車

杭州海賽智能科技が開発したセグウェイタイプの二輪車「Pevila」が、公安部をはじめとして、成都、福州、天津などの警察に正式採用されている。2016年に杭州で開催されたG20サミットで、警備用の移動ツールとして、Pevilaが公式採用されたことから広まり、大型イベント会場、駅、空港などの警備に活用されている。

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杭州G20サミットの警備に実際に使われた時の写真。警備員が大きな会場の周辺を警邏するのに利用された。

 

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▲巡邏用のPevila。人が乗って、ハンドルと体重移動で操縦する。

 

最高時速は20km、航続距離は60km

Pevilaは、前後に体重移動することで加速、減速ができ、ハンドル操作で曲がることができるという二輪車。4時間から7時間のフル充電で約60kmの走行が可能。最高速度は時速20km。4G通信に対応し警備センターとの通信が可能。また、GPSが標準装備されている。重量は43kgで、150kgまでの積載が可能。価格は1万6800元(約27万5000円)。

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▲ハンドルで方向を決め、前後の体重移動で前進後退する。杭州海賽智能科技によると、「1分間で乗れるようになり、10分で熟達する」とのことだ。

 

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▲開発をした杭州海賽智能科技は、このPevilaが2016年の杭州G20サミットの警備に採用されたことで、名前が全国区の企業になった。

 

レジャー用二輪車はすでに価格競争に入っている

杭州海賽智能科技は2013年創業。セグウェイタイプの二輪車の開発を始め、2016年には杭州G20サミットの公式パートナー企業となったことで名前が全国区になった。

Pevilaは警備用だけでなく、ゴルフなどのレジャー用も開発されている。また、海外展開も視野に入れていて、G20では韓国のムン・ジェイン大統領もPevilaに試乗した。

この二輪車の領域もすでに複数のメーカーが存在し、価格競争の段階に入っている。ECサイトタオバオ」などで検索すると、レジャー用のものは3000元(約5万円)程度から販売されている。

中国の街中で、この二輪車に乗る警官を見かける機会が増えていくことになるかもしれない。