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中国を中心にしたアジアのテック最新事情

もう交通違反は見逃しません。電子タグ対応の電子車検証が義務付けへ

中国では2018年から、電子車検証制度が施行される。電子タグに対応し、路肩の受信機で、自動車のIDを受信することができる。搭載しない自動車は罰金500元となると今日頭条が報じた。

 

交通違反の補足率100%。戦々恐々とするドライバーたち

電子車検証(Electronic Vehicle Identification=EVI)は、電子タグRFID)を利用した自動車のID。2018年1月1日から、全国でこの電子証明書の搭載が義務付けられることになり、ドライバーは戦々恐々としている。

なぜなら、交通違反が100%捕捉されてしまうようになってしまうからだ。警官がその場にいなくても、交通違反が見つかってしまうかもしれない。路肩に無線タグの受信機が並べられるようになると、速度違反、駐車違反、信号無視などは、自動判別されて、罰金の請求も自動請求、支払いも自動支払いということになるかもしれない。

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▲2018年から搭載が義務付けられる自動車用電子タグ。路肩の受信機で、IDを捕捉できるので、交通違反が100%捕捉されると、ドライバーたちは戦々恐々としている。

 

渋滞回避から渋滞を起こさないスマート交通管理へ

しかし、ドライバーにメリットもある。この制度が目指しているのは、スマート交通システムの構築だ。すべての自動車の動きを把握することで、交通量を分析。カーナビは「渋滞を回避する」ルートを教えてくれるのではなく、「渋滞を起こさない」ルートを教えてくれるようになるかもしれない。

また、自動車に電子IDができることで、さまざまな情報を紐付けができるようになる。将来的には決済IDと紐付けをして、有料道路、駐車場、ガソリンスタンド、修理などさまざまなことがEVIひとつでできるようになる。

・EVIとスマホがあれば、コネクティッドカーが実現できる

最も大きなメリットは、すべての車がコネクティッドカーになるということだ。しかも、自動車IDとスマホを紐づけることで実現できてしまう。周囲の道路状況、車両状況の提供を受けることで、危険箇所の通知や、部分自動運転などを可能にする基礎となる。将来的には、駐車場に停める際には、入り口で降りれば勝手に空いている場所を探して駐車、乗るときは呼び出しをかければ出てくるといったことが可能になっていく。

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現在はなんの役にも立たない。でも、5年後には…

もちろん、そこにいくまでは、さまざまな技術開発が必要になるが、先に電子IDの搭載を義務付けてしまうというところが、いかにも中国らしい。現在は、単なるプラスティックカード電子タグで、これを車のどこかにつけておけばいいだけで、特になにかが変わるわけではない。しかし、こういう義務付けをすることが、5年後に大きな違いとなって現れてくるのだ。

中国の自動車、道路は、5年後に大きな進化を遂げているかもしれない。

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▲見た目はただのカード。しかし、電子タグRFIDが内蔵されている。自動車のIoT化の大きな一歩となる。

 

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▲中国でも自動車関連の行政は、縦割りになっていて、情報の統一が行われていない。ウィンドウには複数のシールを貼らなければならず、ドライバーからは手続きが煩雑だと不評だ。電子タグで、このような情報が一元化されることが期待されている。

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