中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

ロボタクシーに続いて、ロボバスを実戦投入する長沙市

湖南省長沙市が、自動運転の都市になろうとしている。4月19日、百度の自動運転ロボタクシー「dutaxi」が全面開放され、4月30日には315路線のバス路線に自動運転車が投入されたと智能相対論が報じた。

 

ロボタクシーが全面開放。誰でも利用できる

長沙市では、昨2019年9月から45台のロボタクシーが試験営業を始めていた。長沙市民であればモニター登録をすれば誰でも自由に利用ができる。この試験営業がが4月19日から全面開放された。つまり、誰でも事前登録なしに利用ができるようになった。自動運転可能範囲も50平方キロから130平方キロに拡大され、長沙市民の行動範囲をほぼカバーできるようになる。百度のミニプログラム「dutaxi」を利用すれば、誰でも乗車することができる。

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▲2019年から長沙市を走っているL4自動運転ロボタクシー。全面開放され、誰でも利用できるようになった。

 

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▲ロボタクシーの路肩からの発車の様子。後方の安全確認もし、人間と同等かそれ以上にスムースだ。

 

ロボバスも営業投入

ロボタクシーに続いて、長沙市は4月30日に、315路線に自動運転バス=ロボバスを正式投入した。運転席に監視員が乗務するものの運転はせず、安全確認を行い、緊急時に手動運転に切り替える。試験営業ではなく、正式営業となる。長沙市は、ロボタクシーとロボバスが走る自動運転の都となった。

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▲10台のロボバスが投入された315路線。交通信号と通信をして、バスの通過時に青になるように設定されている。

 

ロボバス導入に取り組んできた長沙市

長沙市では、バスの自動運転にも早くから取り組んできた。2018年11月28日からは、自動運転モデル路線を設置、7.8kmの路線に11のバス停を設置したL3自動運転バスの運行を行ってきた。L3は一定の条件下での自動運転で、バス路線を自動運転に適した環境に整備することで、ロボバスの運行を可能にしていた。

しかし、この路線は自動運転の実証実験の色彩が強く、投入されたロボバスは4台のみ。2019年末になっても、ロボバスの走行回数は600回、累計走行距離は3万kmにすぎない。

しかし、今回の315路線は、一部を自動運転に適した環境に整備したものの、既存のバス路線をロボバスが走行することになる。この315路線には10台のロボバスが投入される。

315路線は15kmの長さで、28のバス停、24の交差点がある。沿線にガイド用の設備を設置し、交差点の信号もロボバス対応のものに改められた。沿線の設備では、バスの位置、速度などを把握し、交差点の信号では車両位置、速度、乗客数、バスの状態などを把握し、バスの位置によって、交通信号のサイクル時間を調整し、バスが優先的に交差点を通過できるようにしている。

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百度は自動運転人工知能「アポロ」をベースに、運行管理なども行う「ACE交通エンジン」を開発した。長沙市を始めとして国内10都市が参加を表明している。2035年までに公共交通の完全自動運転を目指している。

 

百度と提携して自動運転の長沙モデルの確立を目指す

長沙市では、中国で最も自動運転が進んだ都市を目指す「頭羊計画」を推進している。この計画によると、今後3年で7444台のロボバスを投入することになっている。交差点の交通信号と通信をしながら、オールグリーンによる円滑なバス運行をする「長沙モデル」を確立して、他都市の規範とする計画だ。

百度では、自動運転人工知能「アポロ」や道路からのデータ処理など、都市のタクシー、バスなどの運行を制御する「ACE交通エンジン」(Autonomous Driving、Connected Road、Efficient Mobility=自動運転、コネクティッド道路、高効率モビリティ)という考え方を打ち出し、2035年までに完全自動運転の実現を目指している。

長沙市はもちろんこの「ACE交通エンジン」に参加をしている。さらに、南京、北京、保定、滄州、雄安など国内の10余りの都市も参加をしている。ロボタクシー+ロボバス+ACEを組み合わせた長沙モデルが、他都市にも広がっていく可能性がある。

 

指を触れずに音声で行き先階を指定「完全無接触エレベーター」

北京市の海淀病院に音声で行き先を指定できる無接触エレベーターが導入された。既存のエレベーターに、後付けで設置ができるため、病院を始め、オフィスビル、学校、ショッピングモールなどに広まっていくと北京設計之都核心区が報じた。

 

北京海淀病院に無接触エレベーター

新型コロナウイルスの感染拡大で、公共空間のエレベーターのボタンが問題になっている。不特定多数の人がボタンに触るため、接触感染の不安があるからだ。指で触れることがどの程度のリスクであるかはまだはっきりしていないが、インフルエンザなどでは接触感染する経路として、ドアノブとスイッチがよく取り上げられる。そのため、以前から、インフルエンザの季節になると、指先ではなく、手の甲側でエレベーターのスイッチを押す習慣をつけている人もいる。

北京市の海淀病院では、エレベーターに音声操作システムを導入した。エレベーター内にタブレットが設置され、「小易、小易」のウェイクワードの後に「○階」と言えば、その階のボタンが押されたことになる。指はどこにも触れることのない「完全無接触エレベーター」だ。

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▲エレベーターに取り付けられたディスプレイ。音声で行きたい階を伝える。防犯カメラの機能も備えられている。画像解析による顔認証、音声による声紋認証などの機能追加も考えられている。

 

病院、オフィスビルなどに広がる音声操作エレベーター

このシステムを開発したのは、北京の声智科技。人工知能を使ったプロダクトを開発している。

このシステムは、普通語だけでなく、四川語、河南語、粤語など8つの方言に対応している。また、監視カメラ、管理室とのテレビ電話にも対応している。

開発は簡単ではなかったという。自宅のリビングや静かなオフィスという理想に近い環境で、ウェイクワードと内容を音声認識するのは難しいことではない。しかし、エレベーター内は人が会話をし、しかもマスクをしている人が多いため、このような環境で、ウェイクワードを検知させるために、騒がしい状況での学習をさせる必要があったという。

また、エレベーターに設置する際も、大きな改造が必要にならないように、工夫をする必要があった。現在、北京大学第三病院など12箇所での設置作業が進んでいる。病院を手始めに、オフィスビル、ショッピングモール、マンションなどに広げていきたいという。

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▲エレベーターのボタンが接触感染源になるということから、さまざまな工夫をした押し方がネットにアップされた。

 

画像解析防犯カメラ機能も同時搭載

声智科技では、この「AIエレベーター」は、感染対策ではなく、新日常として定着させていきたい考えだ。

カメラによる監視は、人が監視をするだけではなく、画像解析から、急病、暴力事件などを自動検知し、通報する仕組みや体温などの自動測定をする仕組みなども追加していきたいという。さらに、現在、エレベーターに乗れる人数をソーシャルディスタンスにより制限をしているが、何人乗るかは利用者任せになっている。これも画像解析により、人数が多い場合は警告を出す、場合によってエレベーターを作動させないといった機能が望まれている。

また、要望が多いのが、声紋認識だという。エレベーターに「5階にいって」などという命令をしたときに、その音声の声紋認識を行い、事前に登録していない人の声紋であった場合は、エレベーターが動かないなどだ。

声智科技は、自社の音声認識技術を小米、百度、ファーウェイなどのスマートスピーカー音声認識に提供している。米国と中国では、いまだにスマートスピーカーが好調に売れ、普及率が上がり続けている。公共空間でも、「音声で操作する無接触」が定着していくかもしれない。

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▲声智科技は音声系の人工知能技術が核心技術になっている。小米、百度、ファーウェイなどのスマートスピーカーに技術提供をしている。

 

 

店舗、ECに続く第3の販売チャンネル「ライブEC」

まぐまぐ!」でメルマガ「知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード」を発行しています。
明日、vol. 029が発行になります。

 

今回は、ライブECについてご紹介したいと思います。ライブECについては、このメルマガでも何回か取り上げています。たった1日で、ショッピングモール1年分の商品を売ってしまう網紅による網紅経済についてや、新型コロナ感染拡大期に商店主や農家を救うために始められたライブECについて、過去、ご紹介しました。

なぜ、またライブECを取り上げるかというと、新型コロナが終息してみると、コロナ禍の緊急避難として始められたライブECが定着をして、新たな潮流となっているからです。


中国では、宅配物流が発達をしたために、生産者と消費者をダイレクトに結びつける手法に勢いがあります。勢いのあるソーシャルEC「ピンドードー」も、SNSを使って、生産者と消費者をダイレクトに結ぶことで、低価格、大量販売を実現しています。ライブECもこのような直販手法のひとつとして注目され、利用が進んでいます。
生産者から見れば、市場や問屋に出荷するよりも高く売れる。特に、市場で決められた価格に従うのではなく、能動的に価格を決定できる点が評価されています。消費者から見れば、小売店で買うよりも安く買える。生産者と直接つながることができるので、疑問点を聞くこともでき、商品に対する安心感が得られる。何より、ライブECは一種のバラエティ通販番組のようで、見ていて楽しいのです。
これは、日本でも近年注目されているD2C(Direct to Consumer)そのものです。一般的なD2Cでは、ブログやSNSを使って、販売よりも自社の思想やビジョンを理解してもらい、ファンを育てることに比重が置かれていますが、中国の場合は販売に比重が置かれているという違いがあるだけです。

 

また、飲食店や小売店では、ライブECに大きなメリットがあることがわかってきました。飲食店では、店舗、外売(フードデリバリー)に続く販売チャンネルとなり、半調理品を販売することで、外食だけでなく、家庭での内食に食い込むことができるようになります。
また、小売店では、店舗の販売スタッフがライブECに出演することで、顧客に顔を覚えてもらうことで、店舗にきたときに気軽に商品の相談をしてもらえるようになり、顧客との結びつきを強化することに役立っています。
このようなメリットがあるため、新型コロナウイルスの感染拡大期に、窮余の一策としてライブECに挑戦した飲食店、小売店が、終息後も定期的にライブECを配信するようになっています。
後に雲南料理の飲食チェーン「雲海肴」、百貨店「銀泰百貨」の事例をご紹介します。

 

このライブECの世界は、今まで混沌としたところがあって、さまざまな人たちがライブ主としてライブ放送、ライブECを行ってきました。また、ライブ放送プラットフォームもさまざまなものが存在していました。
しかし、コロナ禍により、ライブ主としては「網紅」「明星」「店主」の3種類が主力になりました。また、有力なライブ放送プラットフォームも「タオバオ」「快手」「Tik Tok」の3種類に絞られました。さらに、商品を提供するECも「タオバオ」「京東」「ピンドードー」の3つが主体となり、この3×3×3の組み合わせ間での利益配分も確立しています。
つまり、業界構造ができあがったということで、今後はこの構造を基礎として、ライブECが進展をしていくことになります。そこで、今後のライブEC関連の動向を見る時に、頭に入れておきたい基礎知識として、このライブECの構造をまとめておきます。
今回は、ライブECの構造についてご紹介します。


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投資資金を焼きつくす「焼銭大戦」。10年で8つの大戦(下)

中国で新しいサービスが登場すると、必ずといっていいほど起こる「焼銭大戦」。各サービスが大量の投資資金を使って優待クーポンなどを大量配布する競争だ。資金を焼きつくして、1つか2つのサービスが生き残り、その他はすべて灰になる。この10年で、少なくとも8つの大規模な焼銭大戦が起こったと人人都是産品経理が報じた。

 

新サービス登場で必ず起こる焼銭大戦

さまざまな分野で新しいサービスが登場する中国では、しばしば「焼銭大戦」が行われる。焼銭とは、各企業が大量の投資資金を使って、大量の優待クーポン配布や大型のポイント還元を行い、消費者を惹きつけようとするものだ。

当面の間、消費者は得をすることができるので利用する人が増える。その分野で生き残った企業は、焼銭大戦以降、安定した収益を得ることができる。しかし、敗退した企業は大量の資金を焼きつくして灰になり、投資資金はすべて無駄になる。いったい、焼銭大戦は世の中にとって有益なのだろうか、有害なのだろうか。

 

外売大戦でフードデリバリーサービスが定着

2015年には、外売大戦が勃発した。2009年に餓了麼(ウーラマ)が創業し、フードデリバリーサービスが始まった。この時、ウーラマは注文金額の30%から50%の優待を行っていた。しかし、この時は、外売市場がまだ小さく、外売の習慣を定着させるために必要な投資だと思われていた。しかし、2013年に美団と百度が参入し、競争が始まった。

2015年になると、焼銭大戦が白熱化し、ウーラマは10億ドル、美団は20億ドルの資金を調達した。2015年末には、各社とも資金が底をつき、まず百度外売が脱落してウーラマに吸収合併された。これをきっかけに焼銭大戦が鎮静化していった。

美団、ウーラマともに大きな損失を出したが、外売大戦により、外売市場は3倍以上に成長している。美団はこれをきっかけに生活サービス全般に進出をし、ウーラマはアリババの新小売戦略の重要な要素となっている。外売大戦が、中国人の生活習慣を変えたことは確かだ。

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▲ウーラマの創業者、張旭豪(左から2人目)。上海交通大学時代、友人の食事を代わりに買いにいったことがウーラマの原点。驚異的な成長をし、外売という今までになかったサービスを定着させたが、アリババに買収をされ、張旭豪はウーラマを去った。

 

大量の放置自転車を生み出したレインボー大戦

2017年にはシェアリング自転車大戦が勃発した。2015年に北京大学から始まったofo、上海から始まったMobikeが、「中国新4大発明のひとつ」ともてはやされた(残りの3つは、EC、高速鉄道QRコード決済)。2016年になると、追従する企業が大量に出現をした。各社ともイメージカラーを決めることが流行し、アプリのアイコンもイメージカラーで彩られたため、さまざまなシェアリング自転車アプリを入れると、スマホの画面がカラフルになる。ここから「レインボー大戦」とも言われる。

主要な40社が大量に自転車を投入し、優待を行った。Mobikeは最高で1日4000万元(約6.1億円)のクーポンを配布したこともある。優待だけでなく、利用してもらうために大量の自転車が市中に投入された。必要量の数倍の自転車が投入され、街に自転車があふれることになり社会問題にもなっていった。

その結果、ofoは実質的な破綻状態、Mobikeは美団に売却という勝者のいない結果になっている。

しかし、面白いのは、Hello Bikeが結局最終的な勝者となっていることだ。Hello Bikeはシェアリング自転車大戦の最中、過熱している大都市を避け、地方都市や観光地のシェアリング自転車サービスに集中をしていた。急成長ではなく、地道に成長する道を選んでいた。すると、大都市部でofoとMobikeが相次いで破綻をした。空きができたところで、Hello Bikeは大都市に進出をし、過剰投入にならないように慎重にサービスを拡大していった。現在では、シェアリング自転車の利用は、生活の中に定着をしている。

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▲ofoの創業者、戴威。利益を度外視し、自転車を普及させたいという夢でofoを創業した。しかし、焼銭大戦で消耗し、過剰投入で社会問題を起こし、現在は事実上の破綻状態になっている。

 

新小売大戦終結後にコロナ需要で再び火がつく

2018年には新小売大戦が勃発した。新小売とは、2017年にアリババの創業者、ジャック・マーが提唱した新しいビジネスモデルで、「オンライン小売とオフライン小売を融合した販売形態」のことだ。店舗とECを並列させるのではなく、融合させる点がポイントだ。これで消費者は「店舗に行く/自宅でスマホで」「持ち帰る/宅配する」を自由に組み合わせることができるようになる。店舗で商品を自分の目で確かめて購入後、重たいものは宅配してもらうとか、キャンプに出かける前にスマホで注文し、店舗によって商品をピックアップするなど、さまざまな購入方法が取れるようになる。

アリババが新小売スーパー「盒馬鮮生」(フーマフレッシュ)を展開すると、京東などのEC、永輝などのスーパーが次々と新小売業態の展開を始めた。各社とも大幅な優待を行い、消費者を惹きつけたが、2019年になると、結局、生き残ったのはフーマのみだった。他社は撤退をするか、成長できないままでいる。これで、新小売大戦は自然終結していった。

ただし、2020年1月から3月のコロナ禍により、新小売スーパーの需要が急増し、死に体になっていた各社新小売スーパーが息を吹き返している。状況によっては、第2回戦の新小売大戦が始まるかもしれない。

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▲アリババが展開する新小売スーパー「フーマフレッシュ」。他の新小売スーパーはフーマに勝つことができない。大量出店を可能にしたアリババの資金力もひとつの勝因になっている。

 

100億元あげちゃうキャンペーン大戦

2019年には百億補助大戦が勃発した。ソーシャルEC「拼多多」(ピンドードー)が急成長をし、ECの分野で利用者数、流通総額第2位の京東を抜き、第2位に躍り出て、アリババさえも視野に入れる躍進をした。ソーシャルECは、SNSを使ってまとめ買いをする仕組みで、うまく利用すると驚くほどの低価格で商品を購入することができる。その情報がSNSで拡散するため、爆発力があり、大量に商品が売れる。

この拼多多に対抗するために、アリババは「タオバオ特価版」をスタート。京東も「京喜」をスタートと、ソーシャルECサービスを始めている。

拼多多はこれに対抗するために、百億補助キャンペーンを始めた。これは拼多多が100億元の資金を用意し、特定の商品に補助金という形で割引販売をする仕組みだ。特に、iPhoneの百億補助が大きな話題となった。iPhone仕入れ値が高いため、各EC、販売店も大幅な割引ができない。しかし、拼多多では百億補助という形で実質的な大幅割引をしたため、拼多多利用者を大きく増やすきっかけとなった。しかも、百億補助は、100億円の補助金がなくなったところで補助金は打ち切りという早い者勝ちでもあることから、多くの消費者を惹きつけることになった。

すると、今度はアリババや京東も百億補助に相当するキャンペーンを行っている。百億補助大戦は現在も継続中だ。

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▲近年、急成長をして、中国EC第2位の座を京東から奪った拼多多の創業者、黄崢。消費力の小さい地方市場をねらうという誰も考えなかった手法でソーシャルECを成功させた。

 

コールドスタートには有効な焼銭大戦

焼銭大戦は、その最中にいると、「盲目的な投資」「自滅の道を歩む」という点が目につき、愚かな行為に見える。一部の消費者は、焼銭大戦の最中は消費者は得をできるが、勝者が決まると優待は削られ、利益の回収が始まり、消費者は結局、企業に毟り取られることになると主張しているが、専門家たちは焼銭大戦には社会にとっても大きな利点があると見ている。それは、新しいサービスが始まるコールドスタート状態では焼銭大戦がきわめて有効な手法であるからだ。新しいサービスはどういうものかわからないので、多くの人が利用するのを躊躇する。体験させるために優待はきわめて効果があるのだ。

 

勝者は、利益をあこぎに回収せず、次のサービスに進む

勝者が決まり、焼銭大戦が集結をすれば優待は減少し、消費者が得をできる分量は少なくなる。しかし、そこで勝者が利益を回収するために、過剰な利益を貪るようになれば、そのサービスそのものが終わってしまう。多くの勝者は、勝ち得たサービスを起点にして次のビジネスを考え、そちらで利益を出そうと考える。例えば、2014年からはWeChatペイとアリペイの紅包大戦が始まっている。スマホ決済の普及率を高めるために、現金に相当する紅包を大量に配布した。これにより、スマホ決済の利用率が大幅に上がり、スマホ決済を起点に外売、新小売などのビジネスが登場している。また、外売は飲食物だけでなく、一般商品も扱うようになる即時配送へと進化をしている。

焼銭大戦は確かに大きな投資金額を焼きつくすことになるが、その代わりに社会基盤を築くことができ、その社会基盤の上で次のビジネス、次の社会基盤を構築できるようになる。焼銭大戦は、社会を進化させる原動力になっていると評価する専門家が多い。

 

 

投資資金を焼きつくす「焼銭大戦」。10年で8つの大戦(上)

中国で新しいサービスが登場すると、必ずといっていいほど起こる「焼銭大戦」。各サービスが大量の投資資金を使って優待クーポンなどを大量配布する競争だ。資金を焼きつくして、1つか2つのサービスが生き残り、その他はすべて灰になる。この10年で、少なくとも8つの大規模な焼銭大戦が起こったと人人都是産品経理が報じた。

 

新サービス登場で必ず起こる焼銭大戦

さまざまな分野で新しいサービスが登場する中国では、しばしば「焼銭大戦」が行われる。焼銭とは、各企業が大量の投資資金を使って、大量の優待クーポン配布や大型のポイント還元を行い、消費者を惹きつけようとするものだ。

当面の間、消費者は得をすることができるので利用する人が増える。その分野で生き残った企業は、焼銭大戦以降、安定した収益を得ることができる。しかし、敗退した企業は大量の資金を焼きつくして灰になり、投資資金はすべて無駄になる。いったい、焼銭大戦は世の中にとって有益なのだろうか、有害なのだろうか。

 

グルーポン大戦。勝者は美団

2010年、千団大戦が勃発した。千団とは共同購入のことだ。米国でグルーポンが人気になると、中国にも共同購入に拉手、美団、窩窩、満座などを始めとして5000社以上が参入をした。そこにグルーポンも中国に上陸、焼銭大戦が始まった。

2011年は、この千団大戦が白熱し、補助、広告、販売業者の獲得などに大量の資金が費やされた。しかし、2011年後半に、各社とも資金が底をつき、9割以上が倒産、営業停止をしていった。その中で、生き残ったのは、アリババの巨大投資を引き出すことができた美団(メイトワン)だった。

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▲美団の創業者、王興。グルーポン大戦ではアリババの巨大資金を使った焼銭大戦を行ったが、その後、アリババと袂を分かち、テンセントの巨大資金を利用するようになる。そして、現在、アリババやテンセントを脅かす存在に成長してきた。戦略家としてテック業界から一目置かれている。

 

利益なしで販売するECvs量販店大戦

2012年には、EC焼銭大戦が勃発した。その震源地はEC「京東」だった。日用雑貨は京東で購入する人が多くなっていたが、当時、家電製品は量販店で買うのがまだまだ一般的だった。商品について、説明をしてほしい、自分の目で見たいと考える人が多かったからだ。

これを、ECで購入する習慣を広めたいと考えた京東の創業者、劉強東(リウ・チャンドン)は、思い切った作戦に出る。それは「3年間、京東は利益なしで家電製品を販売する」というものだった。

しかも、量販店の国美、蘇寧は10%以上の利益を乗せているので、京東での販売価格は、国美、蘇寧よりも10%安くなると宣伝した。

口だけではなく、5000名の調査員を国美、蘇寧の2000店舗に派遣をし、価格を調査させて、京東の販売価格が10%以上安くない場合は、価格をすぐに引き下げると宣言した。消費者には、国美、蘇寧で家電を購入するときは、決める前にスマートフォンを取り出して、京東の価格を確かめてほしいと訴えた。もし、そのとき、10%以上安くない場合は、通報してくれればすぐに価格を改定すると宣伝した。

このやり方に国美、蘇寧はすぐに反応し、さらにECの易迅、当当も同様のキャンペーンを始め、ECvs量販店の焼銭大戦が勃発した。大量の資金が費やされたが、家電製品は大量に売れた。しかも、ECで家電製品を購入する習慣が広まった。数ヶ月後に、政府商務部、発展改革委員会価格監督局などから、価格表示の違法性が指摘をされた。○%割引という時は、自社の平常価格と比較しなければならないからだ。それでも、京東にとっては大きく飛躍するきっかけとなった。一方の量販店では、経営が苦しくなっていった。

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▲京東の創業者、劉強東。家電製品では3年間利益を出さない宣言、量販店よりも安くする宣言をして、量販店から顧客をECに奪っていった。商務部から価格表示の違法性を指摘されかねない危険な手法だった。

 

全員が不幸な結果に。旅行サイト大戦

2013年にはOTA焼銭大戦が勃発した。OTAとはOnline Travel Agentのことで、いわゆる旅行予約サイトのことだ。この分野では、携程(Ctrip、シエチャン)が圧倒的なシェアをとっていた。創業者の梁建章はすでにリタイアをし、海外に移住して悠々自適の生活を送っていた。しかし、2011年頃から、芸龍、去哪児などのOTAが大量の資金を使い、大幅割引で飛行機、鉄道、ホテルなどの販売を開始した。これにより、携程の売上が圧迫され、株価は20%以上も下落してしまった。

この事態に、創業者の梁建章が復帰をし、OTA焼銭大戦が始まった。どのOTAも数十億元の資金を投入したと言われた。

結果、携程の株価はさらに下落をした。資金を調達するために、株式を百度、プライスラインなどに売却することにもなった。芸龍、去哪児は資金が底をつき、携程傘下に入ることになった。

しかし、OTA焼銭大戦は終わってはいない。途牛、同程、驢媽媽、飛猪などのOTAがあり、大規模な優待を行っている。中国人が旅行好きな理由のひとつは、OTA焼銭大戦が長期化していて、低価格で旅行に行けるということもある。

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▲旅行予約サイトCtripを創業した梁建章。大きなシェアを握り、成功後、セミリタイアをして海外生活を送っていたが、振興の旅行予約サイトが焼銭大戦を仕掛けてきたため、急遽、現役復帰をすることになった。

 

ウーバーも撤退せざるを得なかった網約車大戦

2014年には、網約車大戦が勃発した。網約車とはネットで予約する車のことで、タクシー配車アプリを使ったタクシーやライドシェアなどのことだ。2012年に滴滴、快的のタクシー配車サービスが登場すると、両社の間で網約車大戦が始まった。滴滴がテンセントの投資を受け、乗客には10元割引し、ドライバーには10元の報償金を与えるというキャンペーンを行った。すると、アリババの投資を受けている快的は、10日後に同じキャンペーンを始め、20日後には滴滴がさらに優待を積み増しし、数日後には快的が追従するということが何度も繰り返された。最終的にはタクシーの方が地下鉄やバスよりも安くなり、実質的に無料で利用できた時期もあるほどだった。しかし、これでスマホでタクシーを呼ぶ習慣が定着をした。歩いて1分の野菜市場に行くのにもタクシーを使うという人が続出したと言われる。

この網約車大戦は約4ヶ月続き、合計で20億元(約300億円)が費やされ、結果として滴滴と快的は合併をすることで、この網約車大戦は終結した。しかし、第二幕がすぐに始まった。2014年にウーバーが中国の上陸をした。滴滴は焼銭大戦で対抗をした。結果、2015年に滴滴は100億元(薬1500億円)の損失を出し、ウーバーは10億ドル(約1000億円)の損失を出した。ウーバーは中国市場を放棄することに決定し、ウーバー中国の株式を滴滴に売却して、中国から撤退をした。

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滴滴出行の創業者、程維。徹底した焼銭大戦で、ライバルを潰していく。快的打車、ウーバー中国を資金消耗戦で打ち負かした。

 

明日に続きます。

 

 

 

大手宅配便企業「順豊」が、今さらフードデリバリーに参入する理由

宅配企業大手の順豊(SF Express)が外売(フードデリバリー)に参入をした。企業向け外売に特化をし、事前に予約をもらって、順豊の配送網を活かして、定時に配送するというサービスだ。飲食市場の33%を占める「社食」をねらいにいっていると電商報が報じた。

 

外売に今さら参入する宅配大手「順豊」

外売の領域では、美団(メイトワン)が強く、それを餓了麼(ウーラマ)が追いかけていて、もはや参入する余地はないかのように見える。いわゆるレッドオーシャンだ。

順豊は1993年に創業した宅配企業。2019年の営業収入は1121.93億元(約1.7兆円)となり、グローバル配送も行う。15機の航空機、1.2万台の車両を保有し、29万人が働いている。中国郵政に次ぐ、物流大手だ。

その順豊が外売に参入をした。しかも、条件を満たした利用者全員に500元のキャッシュバックを行う大盤振る舞い。そこまでして、順豊はなぜ外売に参入したいのか。

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▲順豊は、バイクから貨物飛行機まで、さまざまな手段を組み合わせて配送する宅配企業であるため、個別注文から大量注文まで対応できる。これを活かして、企業向外売「豊食」サービスを開始した。

 

23兆円の企業配食市場をねらう豊食

順豊の外売「豊食」(フォンシー)がねらうのは、企業顧客だ。社食を持っている企業は多くはない。多くのホワイトカラーが、近所の食事に出る、外売を注文する、コンビニなどで買ってくるという方法で食事をとっている。

また、弁当を配達してくれる業者もいるが、安いが遅い、まずい、メニューが選べないなど従業員からの評判はよくない。

しかし、2019年の飲食市場4.6兆元(約70兆円)のうち、弁当市場は33%の1.5兆元(約23兆円)もある。豊食はこの遅れている市場をとりにいっている。

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▲従来の外売では、電動バイクによる配送が基本であるため、大量注文が入ると、仲間の配送員を集めて、手分けをしなければならない。機動力は高いが、大量注文には向かない仕組みになっている。

 

昼食、夕食のピーク時にも定時に一括配達

豊食は、専用アプリではなく、エンタープライズ向けWeChat、一般向けWeChatのミニプログラムとして提供されている。また、ディコス、ピザハット吉野家、雲海肴など主要な飲食チェーンに対応。従業員は自分の好きなメニューを注文することができる。

美団、ウーラマでも好きなメニューを注文することができるが、昼食時などのピーク時には配達に時間がかかることが多い。特に企業で大量注文をした場合は時間がかかる。電動バイクによる配送が主体なので、大量注文になると、手が空いている配送員を集めなければならないからだ。

しかし、豊食では、朝食(7時半まで)、昼食(10時半まで)、午後茶(14時まで)、夕食(17時まで)の予約をしておくと、それぞれ9時、12時、15時、18時に一括配送をしてくれる。

また、飲食店への発注も効率化をされている。キッチンごとの作業量を考え、大量注文の場合は、近隣の店舗に発注を割り振り、作業量を均等化して、配送時間に間に合うようにする。

つまり、従業員から見れば、好きなメニューが選べて、時間にきちんと届くことになる。配送については、順豊の宅配ネットワークを活用する。

また、決済は従業員個人のWeChatペイから行うことになるが、WeChatペイは電子領収書にも対応しているため、企業が一定割合や全額補助をする場合も、精算を自動化することも可能だ。

ここを強みとして、豊食は1.5兆元の巨大市場をとりに行こうとしている。

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▲朝食、昼食、午後茶、夕食を指定された時間に注文しておくと、定時に配達してくれる。たくさんのメニューから選べて定時にきちんと配達されるのが、豊食の強みになっている。

 

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▲大量の定時注文に対しては、貨物車などで対応をする。

 

シェアを伸ばすには時間がかかるとの指摘も

しかし、超えなければならない課題も存在する。

ひとつは企業の弁当には既存の業者が入っていて、そこにはさまざまな特殊事情がある。例えばグループ企業の飲食企業を利用する、価格面で大きな優待を得ているなどだ。そのため、業者の切り替えには躊躇する企業も多い。優れているからといって、すぐには業者を切り替えない。シェアをとっていくには時間がかかる可能性がある。

もうひとつは、強力なライバルがすでに存在することだ。美団は、深圳、上海、北京などの大都市で「安心ビジネスランチ」サービスを提供し、コロナ終息後に大きく利用企業数を伸ばしている。また、ウーラマも以前から「企業ランチ安心配達」を提供し、すでに9000軒の飲食店をメニューに加えている。

もうひとつの問題は飲食品の価格だ。企業での食事は、「安いが美味しくない」と評判は悪いが、では、「高いが美味しい」ものを選ぶかというとそうはならない。多くの人が、味よりも価格を重視し、短時間で食べて仕事に戻りたいと考える。その時、著名飲食チェーンをメニューのような割高に見えるランチを選んでもらえるかという問題もある。豊食を使わずに、コンビニで軽食を買って、昼食を済ませてしまう人は一定数出るだろう。

企業配食は、外売の最後の処女地とも言われていた。順豊の参入により、この領域での競争が激化することになる。

 

 

中国イオンが新小売に対応。外資小売逆風の中での船出

中国イオンが新小売に対応した。店舗から6km圏内に宅配をする。中国に進出をした外資系小売が次々と撤退、経営難になる中で、イオンは3年連続赤字を記録しながらも店舗数を伸ばす積極経営を行なっている。新小売への対応も遅かったが、ようやく対応をし、競争のスタートラインについたと時代財経が報じた。

 

向い風の中で出店数を増やし続けたイオン

イオンは、2008年からイオンモールを中国で展開している。北京周辺エリア、湖北省エリア、江蘇省浙江省エリア、広東省エリアの4エリアに集中して、21モールを出店している。また、スーパーは56店舗の展開、さらにはグループ企業のマックスバリュー、ミニストップなども出店している。

外資系小売の撤退、縮小が続く中国で、店舗数を増やし続けている。外資系小売の厳しい状況の要因は、新小売、生鮮ECの登場だ。アリババの新小売スーパー「盒馬鮮生」(フーマフレッシュ)、テンセント系の生鮮EC「毎日優鮮」などが、生鮮食料品を短時間で宅配するサービスを始め、店舗にいかなければ買うことができない既存スーパーは苦境に立たされていることだ。

そこで永輝スーパー、ウォルマートカルフール、大潤発などの既存スーパーは、近隣へ宅配する新小売サービスを始めて対抗をしている。

中国では、生鮮食料品はどのスーパーでも宅配されるのが常識になっていた。

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イオンモール青島西海岸。日本のイオンモールとほぼ同じコンセプトで出店されている。「日本小売No.1」を前面に打ち出し、消費者からのイメージはものすごくいい。

 

一歩遅れたイオンの新小売対応

しかし、イオンはこの新小売対応が遅かった。2019年4月になって、イオンデジタルを設立し、アプリ開発などを始め、2019年12月から、深圳、仏山、広州の3店舗で新小売サービスを試験運用、そして2020年5月から全店舗に拡大した。店舗から6.3km以内に宅配をする。

ただし、時代財経は「ようやく対応」という表現をしている。対応が遅かったことは否めない。新小売は宅配をするというコストのかかるサービスで、多くのスーパーが配送料も実質無料で運営している。黒字化をするのは簡単ではない。どのスーパーも苦しみながら新小売対応を進めていたが、2020年1月から3月までのコロナ禍により状況が変わった。外出を控える消費者が新小売サービスを積極的に使うようになり、どのスーパーの新小売サービスも3倍から5倍の需要となり、多くの新規顧客を獲得できた。

イオンは、ちょうどこの新小売にとってのボーナスステージを逃してしまったことになる。時代財経が「ようやく対応」という表現を使うのは、このことだ。

しかも、イオンの宅配サービス「イオン到家」は、京東到家のプラットフォームを利用しており、購入商品が5kg以内でかつ58元(約890円)未満の場合は、配送料が10元必要になる。他の新小売サービスと比べて、競争力は決して強くない。

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▲市内にはいわゆるイオンスーパーも出店。このスーパーが新小売サービスに対応をした。

 

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▲イオン店内も日本とよく似た設計。通路が広めで商品が豊富に陳列されている。スタッフがこの売り場から注文に応じて商品をピックアップし、宅配をする。

 

3年連続赤字の中、新小売に参入するイオン

しかも中国イオンは、この3年赤字が続いている。2017年は4150万香港ドルの赤字で、2018年は5980万香港ドルと赤字が拡大し、2019年は8080万香港ドル(約11億1800万円)とさらに赤字が拡大している。

しかも、この数字は香港に上場している中国イオンのもので、広東エリアと華南エリアの33店舗のみの数字だ。華北エリア、湖北エリアは別会社の運営となっているため、中国のイオン全体の赤字はこれ以上になることは確実だ。

ただし、消費者のブランドに対する評判は悪くない。日系ということで食品に対する安心感があるため、固定ファンが多いとも言われる。

外資系小売が苦しみ、日系企業の撤退が続く中で、イオンもようやく競争のスタートラインにつくことができた。これからどのような成長戦略を描いていくのか、注目されている。

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▲煙台のイオンモール。中国らしく、デザインは派手目。