中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

深圳市が人材獲得策として、所得税を大幅優遇。最高45%が15%に

深圳市が海外から優秀な人材を招き入れるために、個人所得税を一律15%に優遇する政策を発表した。中央政府が優遇策を考えるべきだという通知を出してから2ヶ月後、ファーウェイの創業者、任正非が「優遇策が必要」と発言をしてから4日後の発表というスピードに各都市が驚いている。他都市でも所得税優遇策が取られる可能性があると新京報評論が報じた。

 

深圳市が個人所得税を15%まで下げる優遇策

2019年5月25日から深圳市で開催された「2019未来フォーラム深圳テクノロジーサミット」の席上で、深圳市の王立新副市長は、優れた人材を確保するため、深圳地域で働く人の個人所得税を15%まで下げると宣言した。王立新副市長はこう述べた。「あなたが100万元(約1600万円)の年収があったら、所得税は45万元(約700万円)です。でも、これからは15万元で(約240万円)いいのです。家族は喜ぶし、暮らしはよりよいものになります」。

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▲税率優遇策を発表する深圳市の王立新副市長。スピード感のある決定に、メディアも他都市関係者も驚いている。

 

複雑で高い中国の個人所得税

中国の個人所得税は7段階に分かれていて、最高税率は45%になる。ただし、全額に税率がかかるのではなく、段階的に決められた税率を乗じて、納税額が決められる。月給8万元以上になると、その超えた分に対して45%の所得税がかかる。月給10万元の場合、手取り金額はだいたい7万元程度になる。

日本の最高所得税率は45%、米国は35%であり、英国は基本所得税率が20%、ロシアは13%ということを考えると、中国の所得税率は高く、特にIT企業などで高給をもらって働く人にとっては負担が大きい。所得が低い人には低率だが、収入が上がれば上がるほど税負担が大きくなっていく仕組みだ。これにより、国際的な人材を中国に引き寄せることでは不利になっていた。

深圳市の試みは、これを一気に15%まで引き下げ、海外から優秀な人材を呼ぼうというものだ。

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▲中国の個人所得税の計算はかなり複雑。年収300万円であれば、56万円までの部分に3%、225万円までの部分に10%、300万円までの部分には20%の所得税がかかる。計算がかなり面倒なので、速算表がついていて、年収300万であれば、速算控除額分を引いて、残りの部分に20%をかけると、支払うべき税額が計算できる。年収300万円の場合、納税額は3.5万元(約55万円)となり、税率はだいたい18%程度になる。税金はかなり高い(ただし、当然ながら経費は認められる)。

 

中央政府の通知からわずか2ヶ月後の発表

この思い切った政策だけでなく、深圳市のスピード感にも驚きの声が上がっている。2019年3月に、中国財政部、税務総局は、国際的な人材を確保するために、各都市にさまざまな優遇政策を打ち出すことを求める通知を出していた。所得税減税や住宅補助、奨励金、子どもの就学支援などで、どのような施策を取るかは各都市に任されるが、国家として国際的人材の確保が急務であるとしたのだ。

深圳市の思い切った所得税減税は、この通知からわずか2ヶ月後。このスピード感に他の都市も負けていられないと、人材確保政策を打ち出す態勢に入っている。

 

ファーウェイ創業者の発言の4日後に発表

このスピード感のある発表の陰には、深圳市を代表する企業であるファーウェイの創業者、任正非(レン・ジァンフェイ)氏の発言が影響していると言われる。深圳テクノロジーサミットが開催される4日前、任正非氏はメディアの取材でこう述べている。

「中国には今、たくさんの(留学生)人材が帰ってきている。これはとてもいいことだ。しかし、中国の個人所得税は海外に比べて高く、中国に帰ると、たくさんの税金を払わなければならない。雷鋒精神は長くは続かない」。「世界トップクラスの人材が海外から中国に帰ってきても、優遇というのはほとんどなく、それでいて税金はたくさん取られる」。

雷鋒というのは元人民解放軍の兵士で、苦しい状況の中でも国に対する忠誠を尽くしたことから、模範兵士として教科書などに登場する人物。任正非氏の話の中では、中国の待遇が悪くても、中国人だから中国のために働きたいという若者のことを指している。そういう高い志があっても、やっぱり税金が高ければ人材は海外に逃げてしまうことになる。

 

深圳市の思い切った政策。各都市にも波及の可能性

この発言は、各メディアで伝えられ、話題となった。それからわずか4日後に、深圳市は所得税減税を発表している。

これは偶然ではない。メディアの見方では、財政部と税務総局の通知を受けて、すぐに深圳市は優遇政策の検討に入った。どの時点で発表する予定だったかは不明だが、ファーウェイの任正非氏の発言が話題になったことを受け、ベストタイミングだと考え、前倒しして発表したのだと考えられている。

市民が歓迎される施策を実施するだけでなく、このスピード感のある深圳市政府に対して賞賛の声があがっている。

 

中国人は1日にネットを5時間40分使う。牽引しているのはショートムービー

5月27日、第7回中国ネット視聴大会が開催され、その席上で中国ネット視聴協会は「2019中国ネット視聴発展研究報告」を公開した。これによると、2018年12月時点で、中国のスマホユーザーの1日の平均利用時間は、341.2分(5時間41.2分)にもなると四川新聞網が報じた。

 

平均6時間弱使うスマホユーザー。牽引役はショートムービー

中国のスマホユーザーの1日の平均利用時間は5時間41.2分。これは2017年12月と比べて62.9分伸びた。通信量などが安くなり、4Gネットワークが隅々まで普及したことが要因だと考えられている。

その増加分に最も大きく寄与したのが「短視頻」(ショートムービー)で、増加分の33.1%がショートムービーだった。

また、ここ1年で新しくネットを使い始めた新ネットワーカーの各視聴コンテンツの利用率を見ると、53.2%がショートムービーを利用している。スマホの利用時間を延ばしているのは、ショートムービーであることが明らかだ。

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▲中国人は毎日、5.69時間もスマホを使う。1年間で約1時間延びている。伸び率が最も大きかったのがショートムービー(33.1%増)、次がWeChatなどのメッセージ系SNS(18.6%増)。

 

人気なのはTik Tokと快手

ショートムービーで最もよく使われているのは「抖音」(Tik Tok)と「快手」。この2つでショートムービー利用率の54.2%を占めている。次にくるのが「西瓜」「火山」。これを「土豆」「波波」「好看」「微視」「美拍」「秒拍」「快視頻」などが追いかけている。

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▲ショートムービーでは、「Tik Tok」「快手」がトップグループ。しかし、新規参入も多く、競争が熾烈になってきている。

 

スマートテレビでもショートムービーを見る習慣が

また、スマートテレビが急速に普及をしていることもショートムービーの追い風になっている。ショートムービが再生できるアプリがプリインストールされているのは当たり前になっていて、家族でショートムービーを楽しむことも普通になってきている。

2018年末ではスマートテレビがテレビ全体の36%まで普及をしてきている。

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スマートテレビの普及も進んでいる。2018年では36%の普及率になっている。スマートテレビでもショートムービーを見る人が多い。

 

すでに抜かれた長尺の動画共有サービス

ショートムービーに対抗するユーチューブ型の動画共有サービスでは、「愛奇芸」(百度系)、「テンセントビデオ」(テンセント系)、「優酷」(アリババ系)がトップを走り、「芒果TV」「ビリビリ」などが続いていて、現在でも多くの人が利用しているが、利用時間では2018年の5月頃にショートムービーに追い抜かれ、それ以降、動画共有サービスの視聴時間は伸び悩むようになった。

これは、日本で言えば、Tik Tokとユーチューブで同じジャンルの動画を見比べてみれば、理由はすぐに理解できる。一度、15秒から30秒程度のショートムービーを見てしまうと、1分以上ある動画はもはや退屈で我慢をして見る感覚になってしまう。

例えば、料理レシピ動画であれば、3分間で手早く手順を解説する動画すら、もはや退屈になる。配信者が挨拶やちょっとした冗談という料理と本質的に関係のないことをすると、早送りしたくなってしまう。それで早送りをすると、大事な部分を飛ばしてしまうことになってストレスがたまる。

一方、15秒から30秒のショートムービーでは、早回しで手順のみが紹介される。早すぎて一度見ただけでは理解できないように思えるが、逆に短時間で全体の手順を見ることができるので、段取りを理解しやすいのだ。このショートムービーをループ再生させながら料理をすることができる。

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▲長尺の動画共有サービスでは、「愛奇芸」(百度系)、「テンセントビデオ」(テンセント系)、「優酷」(アリババ系)のBAT系がトップグループ。しかし、全体ではショートムービーに利用時間で追い抜かれている。

 

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▲2018年に、ショートムービーの利用時間は、動画共有サービスを追い抜いた。

 

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▲1日の時間ごとの利用者数を見ると、ショートムービーはほぼすべての時間で長尺動画を上回っている。ゲーム実況、娯楽ライブ、音楽PVなどを大きく上回っている。

ネット広告収入を落としている百度とテンセント

3分の動画を1本見る間に、15秒のショートムービーを12本見ることができる。これは3分動画が1つのネット広告しか露出できないのに対し、ショートムービーでは12本のネット広告を露出できるということだ。

この差が、動画やニュースといった情報系アプリを主体にしているテンセントや百度の収益悪化を招いている。一方で、Tik Tokのバイトダンス、快手(スタートアップ)の急成長の源泉になっている。

テンセントの場合は、ネット広告収入だけでなく、SNSやゲーム配信、WeChatペイ、スマート小売といった多角的な事業展開をしているため、ネット広告収入が落ちてもテンセント全体の経営を圧迫するところまではいっていないが、その収入の多くをネット広告に頼っている百度の場合は、赤字決算を出すほどまでショートムービーに蚕食されてしまった。

ショートムービーが好まれる傾向は今後も続くと見られ、中国IT企業の地図を描き変えることも大いにありそうだ。

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▲Tik Tokはもはやダンス映像だけでなく、ニュースや料理レシピ、ライフハックなどさまざまな映像が共有されている。動画共有のプラットフォームとなり、若者だけではなく、中高年へも利用が広がっている。

 

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▲新しくスマートフォンを買った人の53.2%がショートムービーのアプリをインストールしている。動画共有アプリ、ライブアプリ、音楽PVアプリを大きく上回っている。

 

 

アリペイが無料の給与振込サービスを開始。銀行業界に起きているナマズ効果

スマホ決済「アリペイ」が、企業向けに従業員への給与振込サービスを無料で始める。これを利用すると、従業員は銀行口座がなくても暮らしていけるようになるため、銀行に与える影響は小さくないと支付百科が報じた。

 

銀行を変えたジャック・マーの「アリペイ」

2008年に、アリババの創業者ジャック・マーは「銀行が変わろうとしないのであれば、我々が変える」と宣言をして、自社のECサイトタオバオ」内の通貨であった「アリペイ」を街に広げていった。その結果、アリペイは、今では日常消費の主流の決済手段となっている。

ジャック・マーの言葉通り、銀行は変わらざるを得なかった。その原動力となったのが、アリペイ内の余額宝(ユアバオ)という機能だ。これはアリペイの資金を入れておくと、年数%の利息がつくというもの。アリペイから簡単に利用ができる定期預金のようなもの。しかも、24時間いつでも、1元から出し入れ可能であるため、定期預金というよりは財布の奥のポケットの感覚だ。一時期は年7%近い利息がついたために、手軽な理財商品として人気になった。

 

アリペイが銀行に与えた「ナマズ効果」

この余額宝の実体はMMF。アリペイが資金をまとめて、銀行のMMFに投資をする。銀行は国債などに投資をして利益をあげてに還元、アリペイは、利益を差し引いて余額宝利用者に還元するという仕組みだ。

この余額宝人気が高まると、多くの人が銀行口座に入っている資金を余額宝に移し始め、銀行の普通預金口座の残高が減少に向かった。普通口座の利息は1%以下でしかないからだ。これは銀行から見ると、わずか1%以下のコストで調達できた資金が減り、アリペイが投資をするMMFから資金調達をしなければならないということだ。つまり、以前は1%以下で調達した資金を貸し出して、銀行は利益を得ていたが、余額宝以降は7、8%のコストで資金調達をしなければならなくなった。余額宝の人気が高まるとともに、銀行のビジネスは苦しくなっていった。

これにより、銀行の再編が始まり、生き残った銀行の顧客体験は大きく向上した。以前はお役所のような不親切ぶりで、ちょっとした申請にも数日かかっていたが、現在ではホテルのように親切で、多くの申請がスマホから即日完了できるようになっている。

この変化を、メディアは「ナマズ効果」と呼んでいる。小魚がいる水槽にナマズを入れると、小魚は食われまいとして活性化するという効果だ。ジャック・マーの宣言通り、銀行は確かに変わったと誰もが感じている。

 

銀行の最後の砦は「給与振込」

銀行の現在の拠り所は、企業の給与振込だ。現在でも、企業の多くが従業員の給料を銀行振込にしている。その手数料収入も大きいが、企業と法人契約ができ、貸付などの業務に展開できることや、従業員が銀行口座を作ってくれ、自動車ローンや住宅ローンを利用してくれることが大きい。給与振込を起点にして、法人と個人にさまざまなサービスを展開することで、銀行は生き延びている。

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▲各銀行はロボットの導入を進めている。人を感知して、求めているサービス内容を尋ねたら、あとは画面にATMと同じ内容を表示し、処理するという単純なものだが、各銀行は人件費をいかに圧縮するかに知恵を絞っている。

 

給与振込を自動化する「発唄」サービス

しかし、アリペイがこの給与振込に手を伸ばし始めた。2019年5月から始まった「発唄」(ファーベイ)だ。スマホで従業員のアリペイ口座を登録して、支払う給与額のリストを作っておくと、ボタンひとつで給与の支払いが完了する。受け取り書も自動発行され、税務申告にも利用できる。しかも、重要なのは手数料は無料だということだ。

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▲「発唄」サービスの画面。「社長のための無料の給与支払い助手」「ワンタップで多人数に資金を転送」「手数料は不要」などと、銀行から見ると恐ろしいフレーズが並んでいる。

 

現在は、零細企業や個人商店向けのサービス

ただし、現在1人の従業員に1日あたり1回5万元(約78万円)、1日合計で20万元(約310万円)までという制限がある。このため、月給制を採っている大企業ではこの制限に引っかかってしまうこともあるため、当面は零細企業や個人商店で使われていくものと見られている。

それにしても、もし給与振込がアリペイで完結するようになれば、普通の人にとって銀行口座はいらなくなる。今すぐ、銀行口座を解約するのはさまざまな不便が生まれるが、将来的には不要になるし、若い世代はそもそも銀行口座を作らなくなる可能性もある。

アリペイはなぜ給与振込サービスを無料にできるのか。発唄を利用してくれれば、個人のお金の入りと出のすべてを把握できるようになる。このビッグデータは、新小売などあらゆる小売業、金融業に利用することができる。アリペイはそこを狙っている。

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▲「発唄」の利用ガイド。あらかじめ、社員の名簿を作っておき、それぞれの支払い金額を記入しておく。あとは、ワンタップで給与支払いができる。電子領収書も発行され、税務申告に利用できる。

 

銀行は再び変わらざるを得なくなる

メディアの評価もさまざまだ。銀行のビジネスに対する影響は甚大で、ジャック・マーの「銀行を変える」計画の画龍点睛だと評するメディアもあるが、一方で、アリペイが当面フォーカスしているのは零細企業、個人商店であり、銀行ビジネスに対する影響は小さく、むしろ最近増加してきているネット銀行のビジネスに対する影響が大きいと論じているメディアもある。しかし、銀行業界に再び「ナマズ効果」が起きることだけは確かだ。

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ヒット家電を連発する小米。雷軍CEOが教える「ヒットの5つのロジック」

スマートフォンで有名になった小米(シャオミー)が好調だ。家電製品に手を広げ、ヒットが生まれている。小米が設立したインキュベーターで、雷軍CEOはヒットには5つのロジックがあると教えていると爆款戦略が報じた。

 

家電がヒットしても「家電は斜陽」発言

小米(シャオミー)がヒット商品を連発している。炊飯器、お掃除ロボットスマートテレビ、エアコン、スマートウォッチ。いずれもデザインをシンプルにして、操作の多くをスマホから行うようにしている。また、小米が開発した人工知能音声アシスタント「小愛同学」により、音声での操作を可能にしている。

デザインがシンプルで価格も手頃。そして使いやすく高機能。都市の若者を中心に小米の家電を選ぶ人が増えている。

ところが、小米の雷軍(レイ・ジュン)CEOは、「家電産業はすでに斜陽。小米は次の事業を探している」と発言している。この雷軍CEOの前向きな姿勢にも根強いファンがいる。小米が携帯電話を専門に開発していた頃は、雷軍がスティーブ・ジョブズばりのプレゼンをしたことから、「中国の偽物ジョブズ」と揶揄されることもあったが、現在ではものづくりメーカーのリーダーとして多くのリスペクトを集めている。

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▲小米がスマートフォンを主力製品としていた頃は、発表会にカジュアルな服装で登場するため、「中国の偽物スティーブ・ジョブズ」と揶揄されることもあったが、現在ではそのようなことを言う人はいない。

 

雷軍CEOが教える「ヒットの5つのロジック」

雷軍CEOは2016年に「小米谷倉エコロジーチェーン学院」を設立した。ここではスタートアップのための公開講座、講義などを行い、インキュベーターとしても機能し、明日の小米を担う若者たちを育成するための機関だ。

ここで雷軍は、ヒット商品を生み出すには5つのロジックがあると若者に教えている。

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スマートフォンの爆発的な人気で知られるようになった小米は、その後、売上低迷に苦しんでいた時期もあった。しかし、ベゼルレススマホで復活、その後、家電製品でもヒット商品を連発している。雷軍CEOの企業家としての手腕に注目が集まっている。

 

消費者の80%を80%満足させる「80・80の法則」

小米は大きな市場にフォーカスしている。大きな市場とは何か。それは80%の消費者が80%満足するという市場だ。

例えば、スマートブレスレットでは、ある人はストップウォッチ機能が欲しいと言い、ある人は電話機能が欲しいと言い、中には音楽の再生機能が欲しいという人までいる。しかし、小米は80・80の法則でふるいをかけて、そのような特殊な機能ではなく、歩数計やアラーム、睡眠トラッキングという誰もが必要とする機能で製品を構成していく。

こうすることで、コストが抑えられ、消費者にとっては使いやすく、同時に多くの人を満足させる製品になる。

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▲ヒット中の「小米手環4」。QRコードを表示して、決済に使える機能もある。169元(約2700円)。

 

生産課題、社会課題を解決する

80・80の法則により、大きな市場を狙うということは、常にレッドオーシャンに参入することになる。ライバルは多い。小米が進出するお掃除ロボット、炊飯器、スマートブレスレット、空気清浄機などにはすでに強力なライバルがたくさんいる。

そこで、そのようなレッドオーシャンに進出するためには、生産課題か社会課題を解決する必要がある。例えば、小米のドクターベイ歯ブラシは、開発担当者がまず世界中の歯ブラシを集めて分析をするところから始めた。その結果、「現在の製造技術はこんなにもレベルが低いのか?」という結論が出て、研究開発が始まった。

毛をどのように配置すべきか、どのような形状の毛を使うべきか、どのような材質で毛を作るべきか。そういう根本からの研究開発を行い、2016年に発売をするとわずか4日で20万本が売れるというヒット商品になり、現在でも売れ続けている。

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▲ドクターベイ電動歯ブラシ。中国人の口腔を研究した中国人のための歯ブラシ。94元(約1500円)。

 

大衆製品は高品質化し、小衆製品は大衆化する

80・80の法則を考えると、何をすべきかがはっきりする。大衆製品は高品質化すべきだし、専門性の高い製品は大衆化をすべきだ。

掃除ロボットは、小米が市場に参入した時、大衆製品とは言えなかった。数万元という高価格でありながら、コードを巻き込んでしまう、騒音がうるさい、きれいに掃除できないとユーザーの体験は良くなかったからだ。

小米は、このような問題を解消した上で、低価格で市場参入した。普通の消費者が安心をして買えるようになり、2016年に参入してから2018年2月には100万台を突破するヒット商品となった。

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▲小米のお掃除ロボットスマホアプリから、部屋の中で掃除をする区域を設定することができる。1699元(約2万7000円)。

 

誠実な価格設定をする

小米の製品はライバル製品と比べて価格が安いため、誤解を受けることもある。なんでこんなに安いのか。ここまで安いということは品質に何か問題があるのではないかと考えてしまう消費者も多い。それでも小米は、「高くても買う人がいるから高くする」という考え方は採用しない。

厳密にコストを計算して、それに5%の利益を乗せた価格設定をする。もし、利益が5%を超えた場合は、合理的な方法によって消費者に還元をする。

谷倉学院から生まれた製品であるモバイルバッテリーを販売した時は、1つ売るごとに小米は8元の損をしていた。しかし、それが売れ始めると、販売会社に対する影響力が強まり、卸価格について談判ができるようになり、わずかだが利益が生まれるようになった。販売会社は高利潤を追求するため、メーカーや販売店の利益をあまり考慮しない。しかし、小米は、大量購入、長期契約を結ぶことで、製造から流通までのすべての利益を最大化しようと考えている。

そのためには、販売チャンネルのすべてを小米が把握しておく必要がある。それで、小米の製品の多くは、直販サイトでの販売になっている。

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▲小米はオンライン直販を主体にしていたが、「小米有品」のECサイトの他、直営店の展開も始めている。

 

製品の次の製品を見通す

製品を企画する時に考えることは、「どのくらいのシェアを握ることができるだろうか?」「課題を解決できているだろうか」「生産方法は最高点に達しているだろうか?」ということだが、次に考えるべきなのは、その製品の発展性だ。

例えば、モバイルバッテリーであれば、それに付属するカバー、LEDライト、扇風機などが考えられる。モバイルバッテリーを購入した人は、この周辺製品も買ってくれる。周辺製品は本体よりも価格が手頃だからだ。

本体が数百万元の売上をもたらしてくれれば、このような周辺製品が数十万元の売上をもたらしてくれる。

小米がいつも考えているのは、「最高の材料を使い製造し、最高のシーンで、最高のユーザー体験をもたらす」ということだ。それが今日の小米の業績に結びついている。

 

アリババで最も有名なエンジニアは、タオバオを開発した神と呼ばれる蔡景現

アリババに「神」と呼ばれるエンジニアがいる。アリババのビジネスの発火点となった「タオバオ」のシステムをわずか1ヶ月でサービスインさせた蔡景現だ。彼は現在経営陣に入っているが、今でも1日の大半をコーディングに費やしていると阿里経験が報じた。

 

アリババのビジネスの起点となった「タオバオ

アリババの最初のプロダクトはAlibaba.com。中国の製造業者と国際的なメーカーをマッチングさせるもので、中国の製造業を飛躍的に進化させることに大きく貢献したBtoBサービスだ。

そして、次のプロダクトである「淘宝」(タオバオ)により、アリババの長い旅が始まる。タオバオはCtoCのECサイト。個人が出品し、個人が購入する。Alibaba.comの発想を消費者同士のマッチングへと応用したものだ。ここから大規模小売業者がBtoCのECサイト「Tmall」として分離し、タオバオ内での決済通貨「アリペイ」は、ECサイトの外に出て日常消費の決済手段となる。さらに、ここからオンラインとオフラインを融合した新小売スーパー「盒馬鮮生」(フーマフレッシュ)が生まれ、アリババはネットからリアルへとそのビジネス領域を広げている。

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▲蔡景現。アリババのエンジニアから「神」と呼ばれる。現在は経営陣に入っているが、大半の時間はコーディングをしているという。

 

わずか1ヶ月でタオバオを完成させた「神」

アリババという企業の起点になったのは、Alibaba.comだったが、アリババのコンシューマービジネスの起点になったのはタオバオだった。

このタオバオを作ったのは、現在ではアリババのエンジニアたちから「神」と呼ばれている蔡景現(ツァイ・ジンシエン)だった。わずか1ヶ月で、売買システムと掲示板システムを書き上げた。

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▲仕事中の蔡景現。執務室で仕事をするのは好まず、さらにはリーダー席に座るのも好まない。普通のエンジニアと同じ席に座ってコーディングをしている。

 

内容もわからずプロジェクトを引き受ける

2003年春のある日、蔡景現はジャック・マーから呼び出しを受けた。ジャック・マーは、1枚の契約書を見せて、こう言った。「秘密のプロジェクトがあるんだけど、君は参加してくれる?」。

しかし、その契約書はすべて英語で書かれていたので、蔡景現にはなんと書いてあるのかよくわからなかった。そこで「コードを書く仕事ですか?」と尋ねた。ジャック・マーは「そうだ」と答えた。それで蔡景現は、契約書の内容も確かめないまま、契約書にサインをした。これがタオバオプロジェクトだった。

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タオバオを開発した頃のアリババの写真。中央が創業者のジャック・マー。その右が蔡景現。蔡景現にとって最も楽しかった時代。

 

午前0時退社、午前8時出社。休みなし。それでも楽しかった

蔡景現は、2人のエンジニアを引き入れ、3人チームでわずか1ヶ月でタオバオのシステムを完成させた。しかも、2003年から2007年までは、蔡景現一人でタオバオの検索システムの改良を続けた。

蔡景現は当時のことをまだありありと覚えている。「PHPMySQLを使って1ヶ月で開発をし、すぐに公開しました。なので、フォーラムには利用者から問題点の指摘が大量に上がってきます。エンジニアの小宝は、すべての問い合わせに、しばらくお待ちくださいと答えることにしていました。そして、私たちはすぐに問題点を修正して、ほんとうにしばらくの間で、解決していたのです」。

早く帰れる日で退社は午前0時。朝8時には出社する。休みはない。他のことをする余裕もない。でも「楽しかった」と言う。

タオバオは、多くの中国人にECで買い物をするという体験を初めて提供し、生活スタイルを大きく変えていった。11月11日の独身の日セールのキャンペーンは、全国的なイベントになっていった。

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タオバオの開発は、杭州にあるマンション「湖畔花園」を2室借りて行われた。3人のエンジニアがわずか1ヶ月で完成させたが、サービスイン後、数多くの不具合が噴出する。

 

「神」と呼ばれ、「禅僧」と呼ばれる蔡景現

蔡景現は、物静かで人付き合いも積極的な方ではない。SNSもプライベートでは使わない。人が多い場所にもあまり行かない。デスクも部屋の隅に置くのが好みだった。そこで、常にひとつの課題に向き合い続けるような人だ。アリババの首席人事官の彭蕾は、蔡景現のことを「愚直で純真な人」と評している。

アリババのエンジニアたちからは、その能力から「神」と呼ばれているが、人柄から「掃き掃除をする僧」とも呼ばれている。この僧は、掃き掃除をしている少林寺の僧のことで、本当は少林拳の達人だが、普段はその能力を隠しているというものだ。

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少林寺の僧のイメージ。普段は掃き掃除をしているが、実は少林拳の達人。蔡景現のイメージと重なる。

 

経営陣に入っても、仕事はコーディング

阿里ビデオの叔度総経理は、蔡景現に助けられたことがあるという。「あるとき、阿里ビデオのシステムが停止しかかったことがありました。3日間原因を探っても見つからない。蔡景現に助けを求めると、彼はわずか3分間で原因を特定したのです。秒殺でした」。

蔡景現は、現在はその功績から経営陣に迎え入れら、副総裁級の地位にあるが、現在でも1日の大半はコーディングをしている。

▲アリババが作成した「ハロー、デュラン」。アリババで「神」を呼ばれるエンジニアのドキュメンタリー。蔡景現の話し方が、物静かで優しいのが印象的だ。アリババエンジニアの誰もがリスペクトをしている。

 

「普通の人が普通のことを積み重ねたらすごいものができた」アリババ文化

蔡景現は、カンフー小説「鹿鼎記」に登場する人物になぞらえて「多隆」(デュラン)とも呼ばれている。アリババ社内では「困った時はデュランを探せ」という言葉があるほど頼りにされ、尊敬されている。

しかし、蔡景現は「私はただのソフトウェアエンジニア。ごく普通の人間です」と言う。

アリババの文化では、「普通の人が普通のことを積み重ねていったら、すごいものができた」ということを尊ぶ。蔡景現は、そういう意味でも、最もアリババ的な人なのだ。

タオバオで稼ぐ! 初心者から始める中国輸出の教科書

タオバオで稼ぐ! 初心者から始める中国輸出の教科書

 

 

自動運転可能な水陸両用車「海トカゲ」。最長8カ月間の潜伏が可能

世界初の自動運転可能な水陸両用車が公開された。無人運転が可能だけでなく、最長8カ月間の「潜伏」が可能で、島嶼の防衛任務などに投入されると123軍事観察室が報じた。

 

自動運転可能な水陸両用車「海トカゲ」

世界で初めてとなる無人運転が可能な水陸両用車が公開された。無人運転が可能な快速艇は各国が開発、運用をしているが、無人運転可能な水陸両用車は中国独自のものものだ。

通称「海トカゲ」と呼ばれるこの無人運転水陸両用車は、民間企業の青島無疆技術と国営の中船重工武船集団が共同開発したもの。全長12m、幅4.14m、高さ1.65m、喫水線の高さは0.55m。ウォータージェット推進器を3基備え、海上での50ノット高速航行を可能にするだけでなく、船体を安定させながら航行することができる。また、船底には陸上走行を可能にするキャタピラが装備されている。

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無人運転可能な水陸両用車「海トカゲ」。最長8カ月までのスリープ機能があり、潜伏をさせておくことが可能になる。

 

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海上でのテストをする「海トカゲ」。最高50ノットで航行できる。

 

戦闘員は不要、50km先からリモコン操作

火器としては、2基のマシンガンと1基の小型誘導弾を備え、近距離の戦闘に威力を発揮する。操縦、戦闘に戦闘員が乗り込むことは不要で、すべてリモートコントロールでの操作で行われる。リモコンの届く距離は50km以内だという。リモコンで指示をするのは移動先の地点のみで、自動で障害物を避け、最適なルートを自分で選択する。

測位にはGPSではなく、中国独自の測位システム「北斗」が利用されている。

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▲リモート操作は50km先から可能。島などに潜伏をさせ、攻撃時には一斉に目覚めて攻撃をする。島嶼防衛などに投入される予定だという。

 

最長8カ月の「潜伏」が可能

従来、このような戦闘車は、近隣海域まで大型輸送船で輸送し、そこから輸送艇に乗せて上陸をさせなければならなかった。しかし、海トカゲでは、輸送船から直接自力で航行して、そのまま上陸をして作戦展開をすることが可能だ。

さらに注目されているのがスリープ機能だ。この海トカゲは、8ヶ月の間、スリープすることができる。つまり、事前に無人走行で展開をし、隠しておき、8ヶ月後にリモートコントロールで起動し、作戦投入することが可能だ。

無人運転技術を採用したのは、戦闘員の人命を守るためもあるが、この「潜伏機能」を可能にするためでもあったという。

戦闘員の上陸作戦、島嶼の防衛任務、沿岸部の巡回などの作戦に投入されることが考えられている。

 

美術展覧会に、マイクロソフトの人工知能が描いた絵画が出品

毎年5月と6月に北京市の中央美術学院で開催される「卒業展」に人工知能が描いた絵画が出展され話題になっていると中国新聞網が報じた。

 

歌って、話せて、絵もかける人工知能「小氷」

中央美術学院は、中国で最高峰の美術大学。その卒業展は、美術愛好者から毎年注目されている。そこに卒業生に混ざって、人工知能が描いた絵画が出展され話題になっている。

そのアーティストの名前は「夏語氷」。しかし、人間ではなく、正体はマイクロソフトアジアインターネット工程院が開発した人工知能「微軟小氷」(シャオビン)だ。元々はSNSで会話をするチャットボットだったが、現在では歌を歌うようになり、さらには絵画まで描くようになった。

 


【好想你 I Miss U】Joyce Chu 四葉草 ft. Microsoft Xiaoice 微軟小冰 (Audio Version)

▲マレーシア出身のジョイス・チューのヒット曲をデュエットする小氷。ボーカロイドのように、人が入力するのではなく、音楽を聞かせることで、学習をして歌えるようになるという。

 

アーティストが先生となって、人工知能に絵画指導

中央美術学院実験芸術学院の邱志傑院長は、中国新聞網の取材に応えた。「今回、彼女の作品を展示したのはユーモアの一種ですが、実験でもあり、中央美術学院の先見性を示したものです」。

邱志傑院長は、数ヶ月前から小氷の絵画指導に関わっており、次第に人工知能というよりは、美術学生に教えているような感覚になったという。それで、卒業展に出展させることにした。

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北京市の中央美術学院で開催された「卒業展」。ここに人工知能「小氷」が描いた絵画が出品された。

 

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▲小氷が描いた絵画。「ピカソの立体主義を使ったが、完全ではないので星4つ」などと自分で自分の絵画を批評している。

 

模倣の果てに創作性が生まれた

小氷に絵画創作を学習させる秘密プロジェクトは22ヶ月前に始まっている。その具体的な学習過程は公開されていないが、400年間にわたる236名のアーティストの絵画を学習させ、結果を検討し、次の方針を決めるというサイクルを繰り返してきたという。

最終的に小氷に「中国の都市化過程」というテーマを与え、連作させてみたところ、ボナール、ゴッホ、ベルナールの3人の画家によく似た技法の絵画を創作した。それだけでなく、中国の暮らしが農村から都市に変化し、都会での孤独感をよく表現した絵画になっている。ただ模倣するだけでなく、「創作」を誰もが感じたのだ。

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▲小氷が描いた「中国の都市化過程」の連作。タッチは学習をした過去のアーティストの模倣だが、構図などに創作性が見られたという。

 

人間のアーティストに刺激やヒントを与える

マイクロソフトアジアインターネット工程院の人工知能創造事業部の責任者、徐元春総経理は言う。「これで、小氷が芸術家だというつもりはありません。しかし、同じテーマで創作をするアーティストたちは、彼女の作品から大きなヒントを得たり、考えさせられたりするでしょう。それが小氷の芸術上の意義だと考えています」。

この小氷の創作は、すでにWeChatミニプログラム「少女画家小氷」として、誰でも利用できるようになっている。情景やテーマをテキストで入力すると、だいたい3分程度で絵画を創作してくれるというものだ。

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▲小氷はマイクロソフトアジアインターネット工程院が開発した人工知能。最初はチャットボットから始まった。多くのSNSから利用ができる。

 

デザインへの応用が始まっている「小氷」

この小氷の創作能力は、すでに商業化への模索が始まっている。徐元春総経理は半年間で、10数社の紡績、アパレル企業を訪問し、小氷の創作能力が応用できないかを共に検討した。

例えば、あるアパレル企業では28人のデザイナーがいて、毎日4種類の新しいデザインを完成させることが求められている。「28人で4種類」ではなく、「1人4種類」で、合計毎日112の新デザインが求められている。その中から製品化するものが選ばれていく。大多数のデザイナーが2年持たずに辞職してしまうという。疲弊して、創造力が枯渇してしまうのだ。

ここに小氷の能力を応用できないかと考え、シルクスカーフなどのデザインに挑戦をしている。その成果は、3月に杭州市の中国シルク博物館に収蔵されることになり、6月にはアパレル企業SELECTEDと共同で、シルクスカーフの生産準備を始めている。

人工知能は、もはや実験やデモをする段階は終えている。具体的な産業への応用が始まっている。

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杭州市のシルク博物館に収蔵された小氷デザイン作品。

 

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▲シルク博物館のショップで販売されているしおり。これも小氷がデザインしたもの。

 

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