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電気自動車はなぜ乗り物酔いしやすいのか。BEVに見つかった新たな弱点

ライドシェア/タクシーを呼ぶ時に、あえて燃料車を選ぶ人が増えている。電気自動車(BEV)は酔いやすいという人が多いからだ。それは錯覚ではなく、合理的な原因があったと光明網が報じた。

 

わざわざ燃料車のタクシーを選ぶ人たち

多くのライドシェア/タクシー配車アプリで「燃料車」「電動車」を選べるようになってきた。中国で進んでいる先進的な電気自動車(BEV)を選びたいのかというと、そうではなく、多くの人が燃料車を選ぶ。

なぜなら、BEVに乗ると乗り物酔いをするという人が一定数いるからだ。

▲ライドシェア大手の滴滴のAIアシスタントでは、自分の希望の車を配車してもらうことができる。BEVでは酔いやすいという人は「油車」(燃料車)を選ぶ。

 

人に運転してもらうと車酔いをしやすい

合肥工業大学機械工学部の李磊副教授は、燃料車よりもBEVの方が乗り物酔いしやすい条件がそろっているという。

乗り物酔いは、体が受ける加速度と主に視覚情報から得られる加速感にズレがあると起こりやすい。そのため、どの乗り物であっても、乗っている最中にスマートフォンや本、雑誌などを注視し続けると酔いやすい。体は加速度を感じるが、視覚情報では加速感を感じないからだ。乗り物酔いを起こさないためには、外の風景を見る必要がある。これであれば、体と視覚の加速感が一致をし、酔いづらい。

このような原理であるために、どのような乗り物であっても、自分で運転をしているのであれば酔うことはまずない。

問題は、ライドシェアやタクシーなど、乗車するだけで自分では運転しない場合だ。

▲BEVは加速が鋭く、エンジン音がしないため、スマホなどを見ていると酔いやすい。

 

酔いやすい理由1:加速が鋭い

BEVの方が酔いやすい理由は3つある。

ひとつは、BEVの加速感は鋭い。ペダルの動きにモーターが鋭敏に反応するからだ。一方で、燃料車の場合はアクセルを踏んでも、それからガソリン噴出量が増え、エンジンの回転数があがるまでにタイムラグがある。

運転をする立場からは、このタイムラグがない方が運転しやすいが、乗っている方からすると、BEVは反応が鋭すぎて酔いやすい。

 

酔いやすい理由2:慣性走行の時間が少ない

2つ目は、BEVには回生機能が備わっていることだ。アクセルを放すと、燃料車は慣性走行をする。これはまったく加速度のかからない、乗客にとっては楽な状態だ。しかし、BEVの場合はアクセルを放すと、回生機能が働いて発電をし、電力を回収する。この抵抗があり、BEVでは、常に加速度がかかっている状態になる。

 

酔いやすい理由3:エンジン音がしない

3つ目は、BEVの静音性だ。モーター音は静かで、静音性がBEVの長所のひとつになっており、多くのメーカーが室内でモーターの音が聞こえないようにする工夫をしている。一方、燃料車はエンジンの音が聞こえ、車体に振動も伝わってくる。しかし、この音と振動から、人間は、今、車がどのくらい加速をしようとしているのかを読み取る。スマホを注視していても酔わないのは、こういった音や振動から情報を得て、体が受ける加速度との調整をしているからだ。

BEVでは、このような体内調整がしづらいため、酔いやすい。酔いを防止するのは難しくない。ライドシェアやタクシーに乗車したら、スマホを見るのではなく、外の風景を眺めればいいのだ。それだけで、酔う確率は、燃料車であろうとBEVであろうと大きく下がる。BEVの方が静かであり、排気ガスの臭いもなく快適だと言われているが、思わぬ欠点が見つかった。

 

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