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アリペイがNFCタッチ決済を導入。決済だけではない、タッチを利用する販促活動

アリペイがNFCタッチ決済に対応し、コンビニを中心に決済端末が急速に広がっている。レジ効率があがるという点も注目されているが、コンビニが注目しているのが店内での会員獲得や販促活動に活かせることだと新消費101が報じた。

 

アリペイがタッチ決済に対応

中国のスマホ決済「支付宝」(ジーフーバオ、Alipay)が、NFCを使った「碰一下」(タッチ決済)に2024年6月から対応をしている。いわゆるタッチ決済で、決済端末にタッチをするだけで決済が完了するものだ。

これまでアリペイは、顔認証決済などQRコード決済よりも効率的な手法に挑戦し続けてきたが、顔認証は普及期にコロナ禍が起こり、マスク着用することにより普及が止まってしまった。

今回のタッチ決済は、かなりの速度で普及が進んでいる。

▲アリペイのタッチ決済端末。カメラも搭載され、従来のQRコード決済も可能。

 

コンビニが決済端末を積極的に導入

アリババが配布をしている決済端末には、NFCとカメラの両方が搭載されていて、タッチ決済の場所は非常にわかりやすくなっている。アリペイアプリを設定することにより、スマートフォンをタッチするだけでNFCタッチ決済を可能にすることもできる。ApplePayのエクスプレスカード設定とよく似た仕組みだ。また、QRコード決済もカメラを利用することで可能だ。

このタッチ決済端末は、コンビニとファストフードが積極的に導入している。コンビニでは易捷、昆倫好客というガソリンスタンド系、さらには最大店舗数を誇る美宜佳、日系のローソンなどが導入した。また、ファストフードでは蜜雪氷城、ウォレスなどが導入している。

共通するのは、ピーク時にレジが混雑をする店舗だ。

▲事前にエクスプレスカード化する設定をしておけば、アリペイを起動しなくても、スマホをタッチするだけで決済ができる。

 

決済スピードだけではないNFCタッチ

コンビニがタッチ決済を導入するのは、決済スピードの効率化だけではない。タッチ決済をクーポン配布や会員登録にも使える点が、コンビニチェーンが注目する理由となった。

店内にNFC端末をつけたポップを掲示し、「タッチするだけで会員になれる」仕組みを導入している。スマホでタッチをするだけで、自動的にアリペイが起動し、アリペイのアカウントで自動的にコンビニの会員となり、パーソナライズされたクーポンが届くようになり、なおかつ会員登録が自動的に行われ、それ以降、コンビニはその会員の購入履歴を見ることができるようになる。

また、商品棚にNFCポップを置き、タッチするだけでクーポンが取得できる試みも、販促効果が高くなっている。クーポンはアリペイの中に自動収納され、支払い時には普通にタッチ決済またはQRコード決済するだけで、クーポンが自動的に適用される。

そのため、来店客はクーポンを探したりする必要はなく、レジのオペレーションも負担が増えない。

コンビニは、タッチ決済よりも、こちらのマーケティング施策の幅が広がること、会員登録のハードルが大きく下がることに注目をしている。

ピザハットに設置された「タッチするだけでクーポンがもらえる」ポップ。NFCポップにより、会員獲得や販促活動が行える。安価なNFCシールでも可能であるため、コンビニはこのようなタッチによる販促活動に注目している。

 

決済、会員獲得、販促と多角的に利用できるタッチ決済機能

同じことはQRコードでも行われていた。店内に会員登録用のQRコードを貼り付けたり、商品棚にクーポン取得用のQRコードを貼り付けるなどのことは行われていた。しかし、QRコードをスキャンするためには、アリペイを起動してQRコード読み取りを選び、スマホをかざす必要がある。

一方、NFCであれば、アリペイを起動する必要はなく、スマホをタッチするだけでいい。つまり、アリペイを起動し、読み取りを起動し、QRコードを読むという3つのステップが不要になる。これが消費者の心理的なハードルを下げ、新規会員獲得やついで買いの誘発に大きな効果をあげている。

▲コンビニがタッチ決済に注目しているのはレジ効率だけではない。その他の販促活動が大きく改善されることに注目をしている。


コンビニはマーケティングツールとして注目

もちろん、レジ時間が短縮され、行列ができづらくなるという効果もある。あるコンビニを調査した研究では、待ち時間が30秒を超えると、23%の客が購入を断念してしまうという。

つまり、朝夕に来店客が集中してレジ行列ができやすく、なおかつ会員制度により囲い込みマーケティングを積極的に行っている小売チェーンは、アリペイタッチ決済が最適解になることは明らかで、そのような小売チェーンでアリペイタッチ決済は急速に広がっている。

決済だけでなく、マーケティングツールとしても利用できる設計したアリペイの意図に、小売業が的確に反応をしている。今後も、スーパー、チェーン小売などに広がっていきそうだ。

 

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