大学が集中する地域や高鉄駅、空港といった需要の高い場所でライドシェアを呼ぶと、乗車拒否をされる問題が起きている。背景にあるのは、プラットフォーム間の競争により、事前確定料金の値下げ競争が行われ、運転手の利益が出なくなっていることだと広東台触電新聞が報じた。
乗車拒否されて島から出られない!
広州大学は広州市番禺区の小谷包囲島にある。そのため、市内などに行くには必ず橋を渡らなければならない。この島には広州大学だけでなく、他の大学も集まっており、多くの人が市内と大学の間を移動している。地下鉄の駅は2ヶ所あるが、キャンパスは広いため、歩くと15分以上かかることも多い。そこで、多くの人がスマホでタクシーまたはライドシェアを呼ぶ。このようなスマホから呼べるタクシーやライドシェアは網約車(ワンユエチャー)と呼ばれている。
しかし、この網約車を呼ぶと、運転手からのメッセージで乗車拒否をされることが問題になっている。別の車を呼んでも次々と乗車拒否をされるため、島から出られない現象が起こり始めている。これは、大学だけでなく、空港や高鉄の駅など、網約車の利用者が多い場所で起こり始めている。

評価が下がっても乗車拒否をする運転手たち
網約車を呼ぶのは簡単だ。専用アプリを入れてもいいが、多くの人は地図アプリの中から注文をする。ルート検索をして、タクシー利用の部分があると、そこから網約車の注文画面に飛ぶことができる。乗車地点、目的地などは自動で設定されるため、こちらの方が簡単だ。
しかし、注文を入れて配車する車が決まると、運転手からメッセージや電話などで「申し訳ないが別の車を注文し直してほしい」と乗車拒否される。理由を尋ねると曖昧な返事をする。「バッテリーがもうない」「車が故障をした」「お腹が痛い」などはいい方で「とにかく行かない。待つだけ時間の無駄になるよ」と言われるケースもある。
もちろん、中にはプラットフォームに苦情を入れる人もいて、そうすると運転手の評価が下がり、場合によっては乗務停止、資格剥奪などの処分を受けることがあるが、運転手はまったく意に介していないようだ。

定額料金制度が問題の背景に
問題の背景にあるのは、「一口価」という事前確定料金制度だ。網約車の料金は初乗りと距離料金で決まるが、乗ってみないといくらになるのかがわからないという問題がある。これが消費者から避けられる理由になっていた。
そのため、プラットフォームは予想料金を表示するなどしていたが、需要の強い場所には一口価で提供している。事前に料金が確定しているので、渋滞しても遠回りされてもそれ以上の料金を支払う必要はないため、これが網約車の利用を促した。
そして、複数の網約車プラットフォームが乱立する中で、一口価の値下げ競争が進んでいる。利用者にとってはお得な料金であり、網約車の利用はますます進んだ。

定額料金では赤字になってしまうライドシェア運転手
ところが困ったのは運転手たちだった。運転手は歩合制で、料金のxx%という計算になる。すると、一口価では手取りが下がるどころか、ライドシェアの場合は、自動車や燃料代などは自分持ちであるため、赤字になってしまうことすらある。これが運転手たちが乗車拒否をする理由になっている。
プラットフォームに苦情を言えば、運転手の評価が下がり、場合によっては資格剥奪になることもあるが、運転手たちは恐れていない。なぜなら、網約車プラットフォームは無数にあるので、1つがだめになっても、別のプラットフォームで仕事をすればいいからだ。
同様のことは、空港や高鉄駅など需要が多く、一口価が設定されている場所で起こり始めている。しかも、悪いことに、市内から大学、空港、高鉄駅などに行くときは一口価でなくても乗車拒否をされることがある。なぜなら、運転手にとってみれば、帰りは自動的に一口価でお客を乗せなければならないからだ。
網約車は、需要の高いところほど利用しづらくなるという矛盾を抱えることになっている。

