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運転免許は70歳で自動失効。延長するにはテストに合格する。増加をする高齢者の交通事故

若者の交通事故は減少傾向であるのに、高齢者の交通事故が増加をしている。2024年の新ルールでは、70歳で運転免許が失効するという厳しいものとなった。延長をするには判断力などのテストに合格する必要があると金塔県融媒体センターが報じた。

 

増え続ける高齢者の交通事故

中国でも、高齢者による交通事故が社会課題になってきている。中国はこの20年で急速に道路整備が行なわれたため、高齢者は新しいルールについていけないのだ。路地から優先道路を横切る時は、必ず一時停止をして車両が通行をしていないかどうかを確かめなければならない。道幅の広い優先道路を通行する車両が優先されるというのが現在のルールだ。しかし、高齢者は頭ではわかっていても、自分の若い頃に染み込んだ「先に交差点に入った方が優先される」「大きく速い車の方が避ければいい」という自然発生的なルールそのままで運転をしてしまっている。

このギャップにより交通事故が起こり、若者の交通事故数は減少傾向が続いているのに、60歳以上の交通事故数は増え続けている。

▲交通事故による死亡者、負傷者の年齢別構成では、若者の割合が減り、中年以上の割合が増えている。「2004-2018年中国年齢別交通負傷趨勢分析」(王慶瑜他)より引用。

 

新ルールでは70歳で免許は失効する

2024年の免許制度の改訂では、高齢者の年齢制限がひとつの焦点となった。一般的な乗用車はC類と呼ばれる運転免許が必要になるが、下限18歳、上限70歳と定められた。つまり、70歳をすぎると免許が失効し運転ができなくなる。

では、70歳以上の高齢者の移動の自由はどうなるのか。方法は3つある。

ひとつは、反応力、判断力、記憶力を確認する「三力テスト」を受けることだ。これに合格をすると、免許が1年延長される。このテストは、警察署などのパソコンで受験をすることができ、模擬試験も自由に試すことができる。また、不合格であっても5回まで受験することができるようになっている。ハードルはかなり緩く、日常生活が問題なく送れている人であれば合格するレベルだという。

2つ目は、一人乗りの小型車やスクーターに切り替えることだ。これにも免許が必要となるが、60歳以上になると乗用車の免許をこちらのスクーターなどの免許に切り替えることができる。スクーター免許は年齢の上限がないので、一生乗ることができる。ただし、70歳までに切り替えをしておく必要がある。三力テストを受けるのが面倒だという人や合格する自信のない人はスクーター免許に切り替える。

3つ目は、電動自転車に乗ることだ。中国の電動自転車は電動アシストではなく、電力で自走をする。ただし、最高速は25km/hまでしか出せない規制がある。こちらは自転車と同じ扱いであるため、免許不要で乗ることができる。

▲免許制度の改正により、70歳になると運転免許が自動的に失効するようになった。

▲70歳以上でもテストを受け合格することで1年延長ができる。延長は1年だけなので、翌年は再びテストを受け合格をしなければならない。

 

若者の交通事故は減少傾向にある

高齢者個人の視点から見ると、制限が厳しくなり、移動の自由が制限されてしまうことになる。スクーターや電動自転車という手段があるとは言うものの、雨の日や寒い季節には、決して快適とは言えない乗り物だ。しかし、高齢者の事故が増え、本人もそうだが、周囲の人を巻き込んでしまうこともある。そのような社会的な見地からの改訂となった。

一方、若者の事故は減少傾向にある。そのため、従来は大型バスの免許は26歳から、トレーラーは24歳からでないと免許を取得できなかったが、これは22歳からに引き下げられた。つまり、高齢者の事故が減少傾向に転じれば、免許の上限も緩和されることになる。各地の交通警察では、高齢者の運転の啓蒙活動を強化している。