iOSとAndroidのシェアが2023年第4四半期に急変をしている。特に米国市場では拮抗していた両者のシェアがダブルスコアに近いところまで開いている。この要因は、米国での中国スマートフォン排除が影響しているのではないかとCounterpointが報じた。
Androidのシェアが低下をする異変
スマートフォンのプラットフォームシェアに異変が起きている。調査会社Counterpointの統計によると、世界のスマホプラットフォームシェアでは、Androidが圧倒的に大きいものの減少をし、アップルのiOSが伸び、さらには華為(ファーウェイ)のHarmonyOSが微増をしている。
Androidの2023年Q4のシェアは74%と前期よりも5%ポイント低下をした。一方で、iOSは前期よりも7%ポイント、HarmonyOSは1%ポイントの増加となった。
HarmonyOSは中国市場で目標の16%を達成
HarmonyOSが微増をしているのは、中国市場でファーウェイのスマホが復活をしたことだ。現在、予約に対して製造が追いつかない状態にあり、しばらくの間はHarmonyOSがシェアを伸ばし続けると見られている。
ファーウェイでは、以前から中国市場で16%を確保すれば安定して運営ができ、さらに伸ばしていく体制が整うとして、16%という数字を目標として掲げてきた。それを達成した形だ。
売れ行き不振でもシェアが伸びたiOSの不思議
面白いのは、ファーウェイの煽りを受けて販売が不振だと伝えられるiOSもシェアを伸ばしている点だ。販売が不振なのは新機種のiPhone 15で、映像に強いiPhone Proは好調だ。
一方、低価格Android機種を使っている人は、買い替えを伸ばして節約するようになっており、Androidの販売シェアが下落をしている。実際、スマートフォンの基本機能は成熟しており、数年前のエントリー機種でも問題なく使えることができる。ハイエンドモデルでなければ、買い替える動機が生じない状態になっている。
米国市場ではiOSが急増
一方、大きな変化が起きているのが米国市場だ。iOSとAndroidは拮抗をして競い合っていたが、2023年後半からiOSが大きくシェアを伸ばし、Androidはシェアを大きく落としている。
これはファーウェイ排除の影響だ。米国市場からファーウェイを追い出し、その他シャオミなどの中国スマホも売れなくなっている。しかし、世界市場でハイエンドと言えるのはアップル、サムスン、ファーウェイだけであり、シャオミがハイエンド市場に食い込もうとしている状況だ。すると、米国市場でハイエンドスマホを欲しければアップルかサムスンしか選択肢がなくなっている。
エントリーモデルを使っている人は、買い替える動機が弱くなっているのは米国市場でも同じで、新機種に限ると、サムスンよりはアップルを選ぶ人が増えているのだ。
世界市場ではAndroid優勢であるものの、先進国ではiOS優勢へ
世界市場となると、まだまだハイエンドモデルを購入するほどの経済力がない国や地域もあり、世界市場でのAndroid優勢はそう揺るがないものの、経済力のある先進国ではiOSのシェアが大きく上がっていくことが考えられる。先進国ではAndroidの牙城が崩れる局面も出てくるかもしれない。