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盲盒のヒットで生まれた大人玩具市場。香港上場を果たしたポップマートと追いかける52TOYS

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今回は、収蔵玩具(コレクション向き玩具)についてご紹介します。

このようなコレクション玩具と言えば、以前はフィギュアが主なものでした。フィギュアは「手弁」(ショウバン)と呼ばれ、完成品のフィギュアの他、自分で制作する半完成品のガレージキットなども含みます。

ところが、現在、手弁以上に人気になっているのが「盲盒」(マンフー、ブランドボックス)です。完成フィギュアですが、シリーズものになっていて、箱を開けてみるまでどれが入っているかわかりません。そのため、お目当てのフィギュアを手に入れるため、大量に買うことになるというものです。日本でもおなじみの販売方法になっています。

 

このようなブランドボックスのフィギュアが、「閑魚」(シエンユー)などのフリマサービスに出品され、ものによっては高値で取引されるのも同じです。元々の販売価格は50元前後ですが、最も人気が爆発したMollyシリーズのレアフィギュアでは販売価格が1000元以上になっています。最も高く売れたのはSatyr Roryシリーズのレアキャラで、2350元(約4.3万円)で、買値の40倍近い価格で売れ話題になりました。

このようにレアキャラであれば高値で売れるということから、利益を目当てに大量買いする人まで現れ、完全にバブルな状態になっています。

中国では利益目的で株式の取引をする行為を「炒股」(チャオグー、株式を炒める)と言います。鍋で煽って、煽って、だんだん料理になって価値が出てくるというイメージです。最近では、ナイキやコンバースのスニーカーを炒めることが流行しました。同様に、盲盒を炒める行為も流行しているのです。

 

この盲盒はよく日本のガチャガチャ=カプセルトイからヒントを得たと言われます。しかし、ビジネスモデルとしてはかなりの違いがあります。ガチャガチャもどの商品が出てくるのかわかりませんが、基本的にはどの商品も等価です。人によって欲しい商品と欲しくない商品があるだけで、商品の価値はどれもほぼ同じになるようになっています。

ところが、盲盒はあらかじめ人気が出そうなキャラの販売数を減らし、希少価値を意図的につくりだします。盲盒の販売で有名になった泡泡瑪特(ポップマート)では販売率を公開していますが、最もレアなキャラでは1/720になります。1つが50元だとして、レアキャラを手に入れるには50×720=3.6万元もかかる計算です。ですから、フリマサービスで2350元で買えるというのは、ある意味格安とも言えるのです。

 

ポップマートは2018年に盲盒「Molly」を発売して大ヒット商品となりました。そして、2020年に香港証券取引所に上場をします。

この成功を見て、さまざまな企業が盲盒を発売し、玩具業界の中で大きなジャンルになっています。今回は、盲盒を中心に収蔵玩具、潮流玩具などと呼ばれる市場の概要をご紹介し、ポップマート、そしてそれに続く52TOYSの創業からの歴史とどのようなビジネスをしているかをご紹介します。

今回は、盲盒についてご紹介します。

 

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