成都市のショッピングモール「成都太古里」に設置された裸眼3D屋外広告が話題になっている。宇宙船などが飛び出てくるように見える。立体の2面を使うことで、飛び出す効果を生んでいる。集客効果は高く、通常の屋外広告に比べて、投資効果は3倍以上になるとW侃科技が報じた。
宇宙船が飛び出してくる裸眼3D広告
10月上旬の国慶節の長期連休に、成都市のショッピングモール「成都太古里」に、裸眼で3D映像が見られる大型スクリーンが登場して、黒科技だと話題になっている。黒科技とは想像を超えたテクノロジーに使われる言葉。どうして裸眼で3D映像が見えるのかと多くの人がスマートフォンを片手に見物に集まった。
圧巻なのは、宇宙船が登場するコンテンツ。大型スクリーンが基地のようになり、奥から円盤型の宇宙船が出てきて、そのまま見ていると、スクリーンから飛び出してきているように見える。
▲成都市の立体スクリーン。宇宙船が飛び出してくるコンテンツが話題。ただし、見る場所が限定され、異なる場所から見ると、宇宙船が多少歪む。
立体の2面を使うことで、3D効果を生む
このLEDスクリーンを設置したのは、深圳市の聯建光電。屋外LED広告を製造、設置している企業だ。この裸眼3D広告の技術的なポイントは、直交する2つの平面を使っている点だ。この角のところをベゼルのようなものなしにスムースにつないでいる。
メイン画面の面積は1000平米となり、画面解像度は8K。さらにシームレスに接続された450平米の側面と映像が連動して表示される。
また、映像上の工夫もされている。宇宙船の映像では、メイン画面の右端はあえて使わない。そして、宇宙船が飛び出してきた時に宇宙船の映像のみを写す。これにより、宇宙船が枠から飛び出てきたような錯覚をすることになる。
▲夜になると、周りの景観が見えなくなるため、3D効果のインパクトが高まる。メインスクリーンの右端をあえて使わず、宇宙船の一部を表示するという手法が飛び出てくる効果を高めている。
投資効果は通常の屋外広告の3倍以上
当然ながら、見る場所は限定される。交差点の対角にある歩道から見ると、きれいな3D効果が得られるが、ずれたところから見ると、映像が歪み違和感を感じることになる。
それでも、人通りの多い通りに面していて、近くには春熙路歩行街という成都でも有名な繁華街があるため、1日に40万人がこの裸眼3Dスクリーンを見ているという。聯建光電によると、伝統的な屋外広告と比べると、3倍以上の投資効果があるという。
▲成都市の成都太古里に設置された立体スクリーン。観光スポットのようになり、多くの人がスマホで撮影している。集客効果は非常に高い。
韓国でもサムスンが先行
このような箱形スクリーンによる立体効果は、すでに韓国のSMタウンにサムスンが設置をしている。成都のような飛び出る効果は多用されていないが、箱形を活かした広告を表示している。
成都の裸眼3D広告が話題になったことで、中国各都市、世界各都市にこの裸眼3D広告が広がっていきそうだ。
Public Media Art #2 "GIANT TOY"
▲韓国ソウル市のSMタウンに設置されているサムスンの立体スクリーン。3D効果はさほど強調されないが、箱型スクリーンを活かしたアート性の高いコンテンツが表示されている。