中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

中国テック企業は、新型コロナとどう戦っているか

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明日、vol. 010が発行になります。

 

中国で起きている新型コロナウイルスアウトブレイク。状況は日本のメディアも報道されているので、みなさんよくご存知のことかと思います。
このメルマガでは、各テック企業が、この新型コロナに対して、どのような動きをしているかをご紹介したいと思います。

 

最も敏感に反応したのは、アリババでした。なぜなら、アリババは2003年のSARSアウトブレイクにも大きな関係があったからです。この頃のアリババは、ECサイト「淘宝(タオバオ)」を始めたばかりのスタートアップ企業にすぎませんでした。多くの中国人がアリババという名前をまだ知らなかった頃です。
SARSは2002年11月中旬に中国広東省で発生しました。最終的には、8098名の患者と774名の死亡が確認されています。日本では感染可能性のある患者が68例報告されただけで、結果として患者は発生しませんでした。


アリババの本拠地、杭州市でも感染が広がりましたが、最初に確認されたのは3名でした。そのうちの1人がアリババの社員だったのです。広州市のビジネスイベントに出席して感染したものと考えられています。この当時のアリババは全社員が400名程度でしたが、全員を1週間在宅勤務にしました。
この400名の「隔離措置」は、人民日報を始めとする各メディアから猛烈に批判されます。「騒ぎすぎだ」というのです。「経済を止めてしまう代償の方が大きい」「人々に心理的な不安を与える」というのです。しかし、今振り返れば、ジャック・マーの素早い判断は正しかったことがわかります。


アリババは必要な物資の確保に走ります。今の新型コロナと同じように、マスクが不足し、食糧が不足していました。人々は外出を控え、人混みを避けるようになったため、小売店の店舗からは人がいなくなります。そこで、多くの人がECを使うようになり、アリババのタオバオが急速に知られるようになったのです。これはアリババの成長の大きなきっかけになりました。

 

もちろん、ジャック・マーは、この時にビジネスも忘れていません。経済活動が停滞気味の中で、タオバオのテレビ広告を全国に流しました。この時は、多くの人が外出を控え、しかもイラク戦争が起きている最中だったので、多くの人がテレビを見てすごしていました。アリババとタオバオの名前が全国で一気に知られるようになりました。
つまり、アリババは、SARSにより直接的な被害を受け、なおかつ、SARSにより会社が成長することになりました。アリババがこの新型コロナに無関心であるわけがありません。


新型コロナが武漢市で感染拡大をしているという一報が入ってすぐ、アリババがやったことは、自分たちにもすぐできることーータオバオでのマスクの高値販売禁止でした。


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