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95%のスタートアップが4年以内に倒産。86%がAラウンド止まり

テック企業調査ポータル「IT橘子」は「新経済死亡企業データバンク」ページを公開した。これはスタートアップ企業の倒産データをまとめたもの。死亡原因を分析すると、死亡するスタートアップにはビジネスモデル、市場ニーズの読みに問題があることがはっきりとした。

 

スタートアップ死亡のピークは2017年

「新経済死亡企業データバンク」によると、2019年の死亡スタートアップ企業数は336社。ピーク時の2017年2145社から急速に少なくなっている。

しかし、2017年の倒産数が多かったのは、2014年から2015年に起業ブームがあり、大量のスタートアップ企業が生まれたためだ。スタートアップ企業の寿命は3年と言われており、3年で次の段階に進めない企業は淘汰されていく。そのため、ブームの3年後の2017年に死亡数のピークがきている。実際、65%のスタートアップ企業が3年以内に、95%のスタートアップ企業が4年以内に倒産している。

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▲2019年の倒産スタートアップは336社と前年から減少した。ピークは2017年の2145社。2014年のスタートアップ起業ブームの淘汰整理が起きた年だ。https://www.itjuzi.com/deathCompany

 

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▲倒産したスタートップの創業年数。95%が4年以内に倒産をしている。「3年で軌道に乗せられなければ即死亡」という話が本当であることが裏付けられた。

 

86%がAラウンド以前で倒産

死亡企業の分野として多いのは、「金融」「EC」「生活サービス」の順。最も注目されている分野であるために、起業数そのものが大きく、競争も激しい領域だ。

投資ラウンド別に見ると、49%がエンジェル投資段階で死亡しており、Aラウンドで34%が死亡している。86%がAラウンド以前で死亡をしている。

これは、面白いビジネスを思いついて、個人投資家が資金を出して初めてみたものの、その後の投資を得られていない企業がほとんどだということだ。2015年前後、投資家たちは盲目的な投資を行っていた。有望と思われる分野が登場すると、その分野で起業するスタートアップにとりあえず投資をしてみるということが行われていた。仮想通貨、ライドシェア、ライブストリーミング、xR、グループ購入、無人商品棚、シェアリング自転車、人工知能。このような分野のスタートアップであれば、初期段階の投資は比較的簡単に集まった。

これにより、エンジェル投資資金を得て、起業したものの、後が続かない。その淘汰整理がこの数年起きている。

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▲倒産スタートアップの事業領域。金融、EC、生活サービスが多い。ただし、ホットな領域であるため、それだけ起業するスタートアップが多い領域でもある。

 

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▲投資ラウンド別に見ると、86%がAラウンド以前で倒産をしている。Aラウンド投資の目的は、事業構築、市場確保。つまり、多くのスタートアップが事業を始めたものの軌道に乗せることができず敗退していることになる。

 

死亡原因の第1位は「市場競争での敗北」

死亡原因を見ると、圧倒的に多いのが、市場競争での敗北だ。しかし、2位以下の「ビジネスモデルの問題」「市場ニーズの読み違い」などが、競争で負ける要因になっていることは明らかで、やはり死亡する企業には内在する問題を抱えたまま、それを修正できなかったようだ。

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▲死亡原因の上位は「市場競争」「ビジネスモデル」「市場ニーズの読み違い」。起業してみて、市場に適合しないと感じれば、ビジネスモデルを柔軟に変えていく必要があるが、それができなかったスタートアップが敗退をしている。

 

スタートアップの課題は「ビジネスモデルの修正」と「市場ニーズの読み」

死亡原因を投資ラウンド別に可視化してみると、シード、エンジェルという初期段階で多いのは、ビジネスモデルと市場ニーズの読み違いだ。つまり、思いつきのアイディアだけで起業してしまい、それをピボットできずに玉砕してしまうパターンだ。

しかし、この2つの要因は、投資ラウンドが進んでも大きく減ることはなく、スタートアップにとって、ビジネスモデルを常に修正して、市場に適合させていくことがいかに重要であるかがわかる。

また、プロダクトの投入時期の問題(多くは、遅すぎる問題)、運転資金のショートは、すべての段階で問題であり続ける。

スタートアップにとって、ビジネスモデルの絶え間ない修正とスピード感が重要というのは、誰もが想像する通り。それが死亡統計からも裏付けられた。

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▲投資ラウンド別に見たスタートアップの死亡要因の影響度。色が濃いところほど、大きな要因になっている。「ビジネスモデル」「市場ニーズの読み」の2つは、スタートアップの初期段階でも大きな課題だが、投資ラウンドが進んでも課題であり続ける。

 

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