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セキュリティ企業「360」が開発したトイレアプリが話題に

中国セキュリティ企業「360」が、社内トイレの空き状況がわかるWeChatミニプログラムを開発して使用している。便利であるだけでなく、トイレでサボっている状況までわかると話題になっていると即速資訊が報じた。

 

トイレの空き個室が一覧できる「どこでしゃがむ?」アプリ

「どこでしゃがむ?」と命名されたこのアプリは、空いているトイレの個室を検索できるアプリ。正確にはWeChatのミニプログラムで、WeChatの中から利用できる。

ただし、検索できるのはあくまでも360本社内のトイレのみ。性別と棟、階数を選ぶと、近くのトイレの空き状況が表示される。

原理は簡単で、トイレの個室ドアに磁気センサーを設置し、ドアの開閉から使用中かどうかを判別し、このデータを表示しているだけだ。

あくまでも、360が社員用に開発をしたもので、社内のトイレにしか対応していないが、ネットでは「うちの会社でも導入してほしい」「公衆トイレにも使えるようにしてほしい」と話題になっている。

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▲360の「どこでしゃがむ?」ミニプログラム。性別と棟、階数を選ぶと、トイレの空き個室の一覧が表示される。

 

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▲トイレのドアに磁気センサーを取り付け、ドアの開閉を察知し、使用中かどうかを判断する。

 

トイレでサボっている状況も分かってしまう

ところが、360の社員が面白がって、SNSに共有したこのミニプログラムの画像を見て、あるネットワーカーが360の別の狙いに気がついた。

というのは、40分もトイレを占有している人がいることだ。これは何か?中国では「給料をもらってトイレでしゃがむ」という言葉があり、勤務時間中にサボるときはトイレに行くのが一般的だ。昔のトイレは衛生的ではなかったが、IT企業の新しい本社ビルのトイレは、いずれも衛生的になっている。そこで、トイレに隠れてサボる人が出てきているのだ。だいたいスマホのゲームをしたりしている。

このミニプログラムでは、使用時間も表示される。実は、本当の狙いは、トイレでのサボりを防止するためではないかと話題になっている。

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▲トイレ状況の一覧。緑が空き、オレンジが使用中。赤は長時間使用中。ここでも40分前後トイレにこもっている人がいる。

 

男女共用トイレも登場しているトイレ事情

中国でもトイレ問題は次第にクローズアップされつつある。それは女性トイレが足りずに、女性は常に行列をしなければならないという問題だ。公共のトイレでも、男女別を廃止するケースが登場し始めている。

現在のミニプログラムにはその機能は搭載されていないが、女性トイレが満室に近くなると、ある階数の男性トイレを女性用に変え、柔軟に運用することも可能になってくる。

360では、社員の利便のために作ったもので、外部に販売する計画はなく、それ以上の機能追加も現在は考えていないとしている。

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▲台湾の東海大学工業設計学部の陳詩盛と頼昱儒がデザインした男女兼用トイレ。ドイツのレッドドット設計賞を2014年に受賞している。

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