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アリババの合同社内結婚式。今年は102組が結婚

5月10日、アリババで102組の合同結婚式が行われた。ジャック・マー会長は、自分で考案した神父のような服装で現れ、祝辞を述べた。今年で14回目になるアリデーは年々盛況になっていると浙江24時が報じた。

 

アリデーで102組の社員が合同結婚式

5月10日は、アリババ社内で「アリデー」と呼ばれるイベントが行われる。そのメインイベントは、社内結婚式だ。アリババ社員102組がこの日に合同結婚式をあげ、ジャック・マー会長が神父のような服装で現れ、新郎新婦を祝福する。102組の新婚夫婦は、アリババ特製の結婚証明書にサインをする。その証明書には「80年間有効」と書かれている。つまり、80年間は離婚をすることができないという意味だ。

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▲ジャック・マー会長は、自分で考案した神父のような服装で登場して、新婚夫婦に祝辞を述べた。

 

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▲アリデーは今年で14年目。今年も102組の社内結婚夫婦が合同結婚式を行った。

 

家庭円満になる「内部消化」方式

ジャック・マーは社内結婚を「内部消化」と呼んでいて奨励している。アリババは業務も複雑で、残業も多いので、外部の人と結婚すると、なかなか理解が得られず、結婚生活を維持するのが難しいのだ。

ジャック・マーは、社員を前にこうスピーチした。「優秀な人同士が結婚する内部消化は、優れた仕組みです。アリババで社内結婚をすれば、家庭も円満です。なぜなら、二人で一緒に残業するのですから、休暇を取る必要がありません」。

社員は大爆笑したという。日本の企業経営者がこんなスピーチをしたら大問題だが、アリババでは残業が当たり前で、残業代、報酬ともにきちんと支払われるので、これがジョークとして通用する。

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▲過去のアリデーで結婚した夫婦が壇上に上がって、ジャック・マー司会で、夫婦円満のコツを話した。

 

家事の平等な分担が行われている中国

中国は、家事の夫婦での平等な分担がかなり浸透している。夫婦で別の企業に勤めていても、仕事終わりに連絡を取り合い、早く帰れる方がマーケットで食材を買い、料理を作るというのが当たり前になっている。

それは、毛沢東時代に、女性が家庭に入ることが許されず、労働を強制された歴史があるからだ。当時は、体力のない女性でも、場合によっては炭鉱や鉄工所のようなきつい仕事を強制されることもあった。

そういう時代を経ているために、専業主婦という立場の女性は極めて少ない。かなり裕福な家庭の女性だけで、普通は自分で仕事を持ち、働くというのが当たり前になっている。

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▲アリババは、企業というよりも、大きな家族のようになっている。高度成長していた時代の日本企業を彷彿とさせるが、大きな違いは、女性社員の存在だ。

 

アリババは大きな家族。それがアリババの強さ

アリババも社員の49%が女性で、社内結婚をすると、アリババが建設しているマンションを低利子ローンで購入できるなどの特典が用意されている。アリババの給与水準は、中国の中ではトップクラスで、夫婦でアリババ社員であれば、かなり余裕のある暮らしができる。唯一の悩みは、忙しすぎて、使う暇がないことぐらいだ。

このような合同結婚式までいくと、日本人の感覚からは、やや違和感を感じてしまうかもしれない。アリババは、大きな新しい形の家族なのだ。それがアリババという企業の強さの素になっている。

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