中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

中国の富豪ランキング。多くがIT企業経営者に

毎年中国の富豪ランキングを発表している界面新聞が、2018年版の中国符号番付1000人を発表した。上位は、そのほとんどがIT企業、不動産開発企業の経営者で占められと投資銀行在線が報じた。

 

・異なるバブルの継投で成長する中国経済

日本では、この20年、毎年のように「今年こそ中国経済は崩壊する」と報じられているが、その不安をよそに、中国経済は着実な成長を続けている。確かに、中国の経済はバブル的だが、ひとつのバブルが弾ける頃になると、別の分野でのバブルが始まる。バブルが連続することで沸騰状態を維持しているというのが中国経済だ。

改革開放以後、飲料、食品、家電、自動車とバブルが連続し、近年では不動産、住宅開発が中国経済を牽引した。その不動産バブルが弾ける頃に、アリババ、テンセントなどのIT企業が急成長をする。

2018年の富豪ランキングは、まさにその中国経済の歴史を物語るものとなっている。

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▲界面が発表した中国富豪ランキング。1000位までが掲載されている。これを見ると、中国経済の構造がよく見えてくる。

 

トップは不動のテンセント、ポニー・マー

このランキングは1000人分あるが、その上位20位までを見ると、IT企業か不動産開発企業の経営者で占められている。

トップは、SNS「QQ」「WeChat」、スマホ決済の「WeChatペイ」を運営する他、世界のゲーム開発会社を次々と買収し、世界最大のゲーム企業になったテンセントの創立者ポニー・マー。2820億元の資産は、日本円で約4.7兆円になる。

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▲上位20位までのランキング。IT企業と不動産開発がほとんどを占める。

深圳、北京、杭州がIT都市、出遅れる上海

また、地域別の富豪人数ランキングでは、圧倒的に強いのが深圳市がある広東省だ。以下、北京、浙江省杭州市がある)、江蘇省上海市と続く。

この10年で、上海市が下位に後退した。上海市は、アジアの金融の中心で、さらに不動産開発会社もあり、中国の中では長い間、経済が図抜けた都市だったが、テンセントの深圳、百度、シャオミーなどの北京、アリババの浙江省などが伸びてくると、上海は相対的に後退をしてしまった。上海市の周辺地域である江蘇省(南京市、蘇州市など)にもランキングで抜かれ、上海の元気のなさが目立つ。

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▲地域別では、上海市が大きく後退している。金融の中心地であることは変わりないが、ITの波に乗り遅れてしまったところがある。

次にくるのは医薬生物領域か

中国のIT産業は、まだまだ成長空間を残しているが、すでに家電や携帯電話といった製造業、ネットサービスなどには頭打ち感も出てきている。つまり、今、きらびやかに見えるIT企業も、数年先はわからない。

実は、この1000人ランキングを集計すると、最も多い富豪は医薬生物領域だ。上位にランキングされる人がいないので現在は目立っていないが、次の中国経済を支える産業は、医薬品になるのかもしれない。

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▲業種別にみると、最も多いのは医薬生物。次の中国経済を支える産業になるのかもしれない。

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