中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

格差社会ではなくなりつつある中国社会。中間層が厚く。

クレディスイスリサーチが、「Global Wealth Report 2017」を公開した。目立っているのが中国の躍進と日本の凋落だ。中国の躍進ぶりは変化をしてきて、中間層が厚くなり、次第に国内格差が解消されてきていることが見て取れる。

 

米国と中国の二人勝ち。日本とエジプトの二人負け

世界の富を分析したクレディスイスリサーチのレポートで、目立っているのが中国の躍進と日本の凋落だ。

国別で、富を1000億ドル以上減らしたのは、エジプトと日本の2カ国のみ。増減比率でも、エジプトが突出をして-49%、日本とトルコが-6%となった。一方で、米国、中国、欧州各国は堅実に富を増やしている。

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▲2016年と2017年の富の増減。米国と中国が大きく伸ばし、欧州各国も堅調だ。日本とエジプトが大きく減少している。

 

中間層が分厚くなってきた中国社会

中国が成長を始めて20年になるが、ここ最近、中国の躍進ぶりの中身が違ってきている。

資産の多さで10等分をして、それぞれの階級がどのくらい存在するかを視覚化したグラフを見ると、富の偏在ぶりが見えてくる。例えば、北米は10(富裕層)が突出して多く、1(貧困層)も多い。富の格差が深刻な度合いまで進んでいることがわかる。欧州は、7以上のボリュームが厚く、豊かな人が多い健全な社会であることがわかる。

アフリカやインドは5以下のボリュームが厚く、貧困層が多い。中国もつい最近まではアフリカやインドとよく似た形をしていたが、現在では、5から9の中間層+富裕層のボリュームが厚くなっている。欧州ほど豊かではないものの、中間層の躍進が目覚ましく、国全体で豊かになってきていることが見て取れる。

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▲富裕層(10)から貧困層(1)までの国別分布。北米は富裕層と貧困層にきれいに分離した格差社会になっている。中国は意外に中間層が厚い総中流社会へと変化した。

 

意外に少ない中国の富裕層、意外に多い日本の富裕層

中国と言うと、「ごく少数の大金持ちと多くの貧困者からなる格差社会」というイメージを持たれている方も多いかもしれない。しかし、中国は意外に富裕層(資産100万ドル以上)の数は多くない。

世界の富裕層の割合は、米国人が43%と圧倒的に多いが、中国人は5%と意外に少ない。一方で、日本人は7%もいて、欧州を抑え、米国につぐ第2位の多さだ。

中国の富裕層は195.3万人。日本は269.3万人で、富裕層の数では中国はまだ日本に追いつけていない。ただし、日本は2016年から33.8万人も富裕層が減るという減少傾向が続いているので、うかうかしていると抜かれてしまう(ただし、クレディスイスの予測では、日本の富裕層は2022年に382.1万に増加すると予測されている)。

 

崩壊しそうでしない中国の成長の秘密は「分厚い中間層」

日本のメディアは、10年以上も前から「今年こそ中国経済は崩壊する」と論評し続けて、中国はその不安を退け、堅実な経済成長をしてきた。その秘密は、格差社会が解消され、中間層が厚い総中流社会へと構造変化してきたことにあるのかもしれない。

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