中国のネットで活躍するスターたちーー網紅。その網紅が集まる拠点が誕生した。場所は武漢市の花博滙。花をテーマにしたテーマパークの中だ。敷地内にスタジオなどを作り、網紅たちが動画を発信していく拠点に育てていくと人民網が報じた。
年収数十億円を超えるネットのスターたちーー網紅
網紅というのは、動画共有サイトで動画を発信し、多くのネット民から支持を受けているスターたち。トップクラスの網紅になると、年収は数十億円を超え、今では、若者たちはテレビや映画よりも、ネットでスターになる道を選ぶようになった。
海外でのユーチューバーたちと同じだが、中国の網紅たちは、少し毛色が違う。ただ好感度が高いだけの人気者は生き残っていくことができず、なんらかの”実力”が必要とされる。例えば、トップクラスの網紅の中には、ビジネス講座の講師や予備校教師なども顔を連ねる。講座をネット動画で配信し、大きな利益を得ているのだ。
▲芸術村には、中国全土から網紅たちが招待され、ここから動画中継も行われた。
▲網紅のイベントも開催された。今後もこのようなイベントが次々に開催されるという。
1枚の写真から有名になったシンデレラ、ミルクティーの妹
例えば、まったくの偶然から網紅となったスターがいる。嬭茶妹妹(ミルクティーの妹)と呼ばれる章沢天(しょう・たくてん)は、たった1枚の写真で網紅になったシンデレラガールだ。
高校2年生の時に、同級生が章沢天を撮影した写真を無断でネットに公開した。すると、そのミルクティーを手にした章沢天の写真が清純だと、中国全土で大人気となった。章沢天は「ミルクティーの妹」と呼ばれるようになり、一夜にして網紅になってしまい、メディアの取材が殺到した。
しかし、大学受験を理由に取材の多くを断ったため、それが希少価値を生み、ネットでの人気がさらに加熱した。2年後、章沢天は北京市の清華大学にみごと合格する。北京大学や上海の交通大学、復旦大学などと並ぶ超難関校だ。
▲章沢天を一夜にして有名にした写真。この写真がSNSで猛烈に拡散し、ミルクティーの妹として有名になった。
可愛いだけじゃなく、実力もなければ網紅にはなれない
大学3年生の時、南京電視台のインターン実習生となり、翌年にはマイクロソフトのインターン実習生となり、この頃から再びメディアに露出をするようになる。清華大学卒業後は、チャリティ番組などの司会を中心に活動するようになり、ECサイト大手「京東」の劉強東CEOと結婚。劉強東CEOは、中国の富豪番付にもランキングされるお金持ちで、章沢天はたった1枚の写真から玉の輿に乗ったことになる。
しかし、「ミルクティーの妹」の写真が話題になった時、メディアに露出をし続けていたら、おそらく早々に世間の話題からは消え去っていたことだろう。多くの人が章沢天を支持するのは、受験のためにメディア取材を拒否する、清華大学に合格する、著名企業のインターン実習生になるなど、努力をし、結果を出しているところなのだ。中国ではそういう“努力を積み重ねた人”でなければなかなか評価されない。
▲章沢天にはメディアの取材も殺到したが、受験勉強を優先、みごと清華大学に合格する。大学時代は、著名企業のインターンとなり、現在は京東のCEO夫人。こういう結果を出す人が、中国では人気が出る。
再生回数方式のユーチューブ、投げ銭方式の中国の動画共有サイト
それがいいことか悪いことかはまた別の話だ。まったく努力などしない人間が、くだらないことをやっている姿を見る方が、娯楽としては楽しいと感じる人もいる。日本のユーチューバーの多くは、影で努力をしても、それを見せずに能天気な人間を演じている。
中国の網紅の世界がこのような実力主義になっているのは、そのビジネスモデルの違いによる影響も大きい。
ユーチューブなどの利益の源泉は広告表示であるため、再生回数に比例して収入が増えていく。そのため、中身はどうでもいいからたくさん再生された者が勝ちということになる。どれだけ内容が素晴らしくても再生されないことには意味がない。
しかし、中国の動画サイトは投げ銭方式だ。視聴者が、その動画が面白いと感じたら、スマホ決済で、配信者に任意の額のお金を送ることができる。これが網紅の収入の源泉となっている。そのため、ただ「動画が見たくなる」だけではだめで、「財布を開きたくなる」なにかがなければならない。そこに網紅たちの独特さがある。
花のテーマパークに誕生した網紅たちの活動拠点
武漢市の花博滙に新設された網紅の活動拠点は、「DAMARA VILLAGE 顔値+芸術村」と名付けられた。DAMARAはアフリカのナミビアのダマラ族のこと。舌打ちのようなクリック音で会話するという独特の言語を持っている。顔値は顔の値のことで、イケメンと美少女のことを指す。
この芸術村には、小劇場やメイド喫茶などの他、中継スタジオなども新設され、そのお披露目には約100人の網紅が集まった。著名網紅が、この芸術村を拠点に活動するかどうかはわからないが、若い網紅が登場する拠点として、アイドルが登場する拠点として育っていく可能性はありそうだ。
武漢市では、花博滙をただの花のテーマパークとしてだけでなく、こういった芸術文化面のテーマパークとしても育てていきたいとしている。
▲武漢市の花博滙。ヨーロッパ風のお花畑のテーマパークだ。ここに網紅たちの活動拠点が作られた。
▲夜は、お花畑がライトアップされ、観光客も自撮りを楽しんでいる。中国の自撮り文化は、子供達の間にも広がっている。
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