中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

アリババEC「Tmall」で起きた悪徳商法事件。アリババの出店審査に思わぬ落とし穴

引っ越しで荷物を乗せてから見積もりとは異なる高額請求をする悪徳商法はどこにでもある話だが、それが、アリババが販売業者を審査するEC「天猫」(Tmall)で発生した。この業者は、アリババの審査をうまくすり抜けて、Tmallへの信頼を利用して悪徳商法を行…

どうやっても人が対応してくれないテンセントのサポート。消費者からも疑問の声

多くのITサービスのサポートが、FAQやAIチャットボットを採用し、人が対応しないようになっている。電話番号などは深い階層をたどらないとわからないようになっていることも多い。しかし、テンセントのサポートは無人化が徹底されたあまり、消費者からも疑問…

客単価200円の町食堂に全自動化テクノロジー。労働力不足は付加価値の低い仕事から進行する

上海市の虹橋に調理を全自動化した無人レストランがオープンした。客単価は10元という庶民向けの食堂だ。中国でも労働人口が減少し、労働力不足の影響が出始めている。労働力不足は付加価値の低い仕事から進行するため、虹橋社区AI食堂は全自動化を進めたと…

テンセントがゲーム専用SNSのテストを開始。ライバルはDiscord

国民的インフラとも言えるSNS「WeChat」(ウェイシン、WeChat)を運営するテンセントが新たなSNSのテストに入っている。ゲームに特化したSNSとなる見込みで、ゲーマー用コミュニケーションアプリ「Discord」に対抗するものになるとTech星球が報じた。 注目さ…

スマート化により成長市場となっている中国家電。トレンドは「高級化」「健康機能」「ペット家電」

「まぐまぐ!」でメルマガ「知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード」を発行しています。 明日、vol. 091が発行になります。 今回は、中国の白物家電の状況についてご紹介します。 2020年はコロナ禍で、家電製品の売れ行きは大きく落ち込みまし…

オーバーツーリズムにはAIで対抗。麗江と百度が共同して挑む21世紀の観光地のあり方

世界中の旅行者を惹きつけている麗江。しかし、オーバーツーリズムの被害が年々大きくなっている。違法駐車、揉め事、ポイ捨て、騒音。週末になると、麗江は麗江ではなくなる。この問題に、麗江市政府は、百度と共同して、AI画像解析の力を借りて取り組む「…

フードデリバリー「美団」が深圳市でドローン配送の試験運用を開始。焦点となる受け取りの方式

フードデリバリー「美団」(メイトワン)と、深圳の高層オフィスビル「SIC超級総部中心」は、フードデリバリーのドローン配送の試験運用を行うことで合意した。しかし、ドローン配送は利用者体験の点で課題が多く、今回の試験運用ではその点の検証も行われる…

運転室には誰もいない。完全な無人自動運転が始まった北京地下鉄

北京の地下鉄が無人運転時代に突入している。2017年以降、新設される路線はすべて無人運転設備を備えてきたが、安全監視員が乗務する形での自動運転が行われてきた。それが安全性が確認されたとして、安全監視員も常務しない完全な無人運転が始まったと1039…

今どきの子どもたちのネット事情。ゲーム規制、教育改革をしたたかかに生きる子どもたち

「まぐまぐ!」でメルマガ「知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード」を発行しています。 明日、vol. 090が発行になります。 今回は、ゲーム規制、教育改革に揺れる子どもたちのネット事情をご紹介します。日本でも報道されているように、未成…

中国卓球のナショナルチームがAI卓球ロボットを導入。コーチの業務負担を大きく軽減

中国が卓球王国であることはよく知られているが、その強さの陰にはポンボットの貢献があるかもしれない。クアルコムのロボティクスプラットフォーム「RB5」を使ったポンボットは中国の卓球を変えるかもしれないと鈦媒体が報じた。 中国の強さの秘密は徹底し…

災害時に活躍するテック企業たち。ドローンで携帯回線や照明を提供

2001年7月、河南省は中心に1000年に一度の豪雨に見舞われ、鄭州市を中心に洪水被害に見舞われた。死者は300人を越し、3000万人が被災をした。鄭州地下鉄5号線は冠水し、500人が閉じ込められ、14人が死亡した。この災害では、テック企業が率先して救援、支援…

宿題は人工知能にやらせる今どきの小学生。中国政府は宿題をAIにやらせることを禁止

中国共産党中央弁公庁と国務院は、「義務教育段階の生徒の家庭学習と校外課程の負担のいっそうの軽減についての意見」を公開した。内容は、「拍照捜題」を禁止するものだ。これを受けて、多くの学習アプリが拍題捜答機能を停止させていると青少年教育新聞が…

やはり強い五菱とテスラのEV。地方都市にも波及が始まった新エネルギー車の好調な販売

2021年6月の新エネルギー車販売台数は、予想通り、宏光MINI EV、テスラモデル3、モデルYの順位となった。これを都市の規模別に見ると、地方都市での宏光MINI EVの健闘が目立つ。EVは地方にまで広がり始めていると第一電動網が報じた。 個人市場がリードする…

TikTokライブコマースと宅配「菜鳥」の電子送り状をめぐる争い。欲しいのは顧客の個人情報

中国版TikTok「抖音」のライブコマースが販売業者に対して、宅配企業「菜鳥」の利用を禁止した。抖音のライブコマースでは、プライバシー保護のため電子送状を採用したが、菜鳥も独自の電子送状システムを導入しているため、衝突してしまうからだ。しかし、…

イノベーションを起こす女性起業家たち。過去にとらわれない自由な発想力

「まぐまぐ!」でメルマガ「知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード」を発行しています。 明日、vol. 089が発行になります。 今回は、中国で活躍をする女性たちをご紹介します。 毎年富豪ランキングを発表している米「フォーブズ」誌が面白いデ…

小型EV、1000kmのんびりゆったり家族4人旅。コツは80%急速充電の活用

カタログ航続距離400kmの小型EVで、家族4人で高速道路1000kmを走破した人がその内容を公開している。EVにとって、高速道路は航続距離が短くなる鬼門。しかし、鄒城悦享はのんびり旅を楽しめたという。そのコツは80%急速充電の活用だった。 普及をしても寒冷…

株価158倍の神株「BYD」。EVシフトの追い風に乗る中国版テスラ

中国の電気自動車市場(EV)は、宏光MINI EVを大ヒットさせた上汽通用五菱とテスラがリードしているが、3位につけているのがBYDだ。携帯電話のバッテリーからスタートしたBYDは、次々と新規事業に乗り出し、創業者の王伝福は中国のイーロン・マスクとも呼ば…

中国製iPhoneで一時代を築いた山寨携帯電話の王「ニーチェ」

かつて、中国製iPhoneで一時代を築いた山寨携帯電話メーカーが存在した。日本では、「ニセモノiPhone」として報道されたが、このメーカー「ニーチェ」は、中国産iPhoneと称して、1/10の価格で販売した。性能はiPhoneと比べ物にならないが、当時の中国人にと…

チェーンスーパー「永輝」が新小売から完全撤退。復活策はエンジニアチームの構築

スーパー業界の雄と呼ばれる永輝が新小売から完全撤退をすることを決断した。アリババに太刀打ちをすることができなかった。失敗の原因は、根本的なDX不足であると捉え、本格的なエンジニアチームを内部に構築することで、復活をねらうと中国企業家雑誌が報…

EC「タオバオ」が消費者レビューの仕組みを変更。終わらない不正レビューとの戦い

ECには必ず商品レビューが用意され、多くの人がそれを参考に購入を決めている。しかし、低評価レビューを公開しない、お金を餌に高評価レビューを書いてもらうなどの不正行為が横行していると工人日報が報じた。 評価レビューの仕組みを工夫するタオバオ 昨…

オタク×テック×ビジネス。二次創作×企業。産業として成立し始めたオタク経済

「まぐまぐ!」でメルマガ「知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード」を発行しています。 明日、vol. 088が発行になります。 今回は、中国のオタク産業についてご紹介します。 といっても、個々の作品を解説するようなカルチャー面には触れませ…

シャオミがスマホ世界市場で第2位に躍進。勝因は1年前の大胆な決断

シャオミがアップルを抜いて、スマホ世界市場で第2位に躍進をした。その理由は新興国市場での成長にある。しかし、Canalysモバイル業務のニコラ・ポン副総裁は、シャオミが1年前に下した大胆な決断が勝因になっていると分析したと雷峰網が報じた。 シャオミ…

アリババに買収されたサービスはその後どうなるのか。買収で消えてしまうサービスの悲劇(下)

テックジャイアントは自身の事業が巨大であるだけなく、有望なサービスを次々と買収し、自社陣営に加えて、拡大をしていく。それは大国が周辺国を飲み込む姿にも例えられる。しかし、買収されたサービスの多くが、結果として消えてしまう例が多いとPMCAFF産…

アリババに買収されたサービスはその後どうなるのか。買収で消えてしまうサービスの悲劇(上)

テックジャイアントは自身の事業が巨大であるだけなく、有望なサービスを次々と買収し、自社陣営に加えて、拡大をしていく。それは大国が周辺国を飲み込む姿にも例えられる。しかし、買収されたサービスの多くが、結果として消えてしまう例が多いとPMCAFF産…