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どこに置いても充電できるワイヤレス充電器。同時に2つの充電も

小米(シャオミ)は、スマート追跡ワイヤレス充電器を発売した。従来のワイヤレス充電器は位置を考えておかないと充電が始まらないという問題があったが、この充電器はどこに置いても充電できる。また、2つまでのデバイスの充電も可能だと 新青年科技が報じた。

 

ワイヤレス充電。2つの問題点

各メーカーから発売されているワイヤレス充電器。Qi(チー)規格に対応し、スマートフォンなどを置くだけで充電ができるというものだ。

しかし、使い勝手に問題を感じている人もいるのではないだろうか。いちばん大きな問題は、充電器のユニットとスマートフォンの充電ユニットの位置を合わせる必要があり、ラフに置くと充電されないことがあることだ。位置合わせを意識して置かなければならない。

もうひとつは、タブレット、ワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなどQi対応のデバイスが増えてきたため、1台の充電器では足らなくなっていることだ。ワイヤレス充電は充電速度が遅いために、複数のデバイスがあると充電が間に合わなくなってしまうこともある。なにより、ワイヤレス充電のいいところは「置いておきさえすれば、充電が終わる」と気軽さにあるのに、いつも充電のことを気にしなければならなくなる。

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▲同時に2つのデバイスを充電できる。先に置いた方の充電が終わると、自動的に次のデバイスに充電ユニットが移動をする。

 

置いた場所を追跡して充電してくれる充電器

このような問題を解決するために、小米(シャオミ)から、「スマート追跡ワイヤレス充電器」が発売された。

20cm四方ほどの板状のワイヤレス充電器で、最大の特徴はこの充電器のどこにおいてもいいというものだ。端の方に置いても、緑の光点が現れ、自動でスマホの位置を追跡して移動し、充電を始める。場所を変えても、やはり緑の光点が追跡をし、充電を始める。出力は20Wなので、充電時間はケーブル充電と遜色が無くなっている。

さらに、便利なのが、2台同時に充電できることだ。最初に1台のスマホを置くと、緑の光点が追跡をして、充電を始める。その横に別のスマホやワイヤレスイヤホンを置く。最初のスマホの充電が終わると、緑の光点がもう1台のデバイスに移動して充電を始める。

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▲小米のスマート追跡ワイヤレス充電器。デバイスをどこに置いても充電ができるため、置く位置を考える必要がない。

 

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▲スマート追跡ワイヤレス充電器の発表会の様子。創業者の雷軍自ら発表をしている。

 

仕掛けは単純。置いた位置に充電ユニットが移動する

一体どういう仕組みになっているのか。早速分解をして、仕組みを解明した人がビリビリなどに動画を上げ始めている。すると、実に単純な仕掛けであることがわかった。

上面の裏側には、格子状のセンサーが配置され、乗せたものの位置を認識する。内部にはQi充電ユニットとガイドレールが設けられ、センサーで認識した位置に充電ユニットを移動させるというものだ。

アナログ的なメカニズムとデジタルを組み合わせて作られている。仕掛けがわかってしまうと笑ってしまうようなところもあるが、利便性は高い。現在、中国のみの発売で価格は499元(約7800円)となっている。

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▲スマート追跡ワイヤレス充電器を分解した様子。上面に格子状のセンサーがあり、デバイスを置いた場所を認識、その場所に充電ユニットが移動をする。

 

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▲さっそくさまざまなメディアやブロガーが、分解をして仕掛けを明らかにしている。いかにも中国っぽい仕掛けだが、効果は抜群。