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北京五輪会場までを結ぶ最高時速350kmの無人運転高速鉄道

2019年12月30日から、北京北駅から張家口市までの高速鉄道173kmが営業運転を始めている。張家口は2022年北京冬季オリンピックのスキー競技場になっている。従来の鉄道では3時間ほどかかっていたが、高鉄により最短47分で到着する。しかも最高時速350kmの高速列車は無人運転を実現していると彭湃新聞が報じた。

 

世界で初めての無人運転高速鉄道

2019年末に京張高鉄が開通をして大きな話題となった。京張高鉄は、北京冬季五輪のスキー競技場までを結ぶ高速鉄道「高鉄」。最高時速350kmで、無人運転をするという中国の鉄道技術を世界にアピールするものでもあった。しかし、すぐに、コロナ禍が起きたため、実際に乗車した人は多くはない。現在、感染拡大が収まるとともに次第に利用する人が増え、再び注目されている。

京張高鉄は、世界初の無人運転高速鉄道となる。運転席には監視員が座り、異常を発見した場合は、手動による緊急停止をすることになっているが、運転操作は発車から停車まですべてが自動で行われる。

現在、30列車による運用だが、そのうち6列車が無人運転に対応をしている。有人列車のチケットは77元から231元で発売されているが、無人運転の列車は90元から270元と少し高く設定されている。また、無人運転の列車は2日以上前の予約が必要になる。

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北京冬季五輪用にデザインされた高鉄列車。世界初の無人運転高速鉄道となった。

 


京张高铁开通了,北京坐无人驾驶高铁去八达岭长城看看,太方便了变化好大大了

▲開通直後に、八達嶺駅を訪れたビデオブロガーのレポート。万里の長城見物が手軽にできるようになった。

 

鉄道ファンに親しまれた京張線

この京張高鉄は、中国の鉄道ファンにとって、格別の思い入れがある。なぜなら、京張線は1909年に開通した路線で、初めて中国人が設計し、建設をした純中国産の鉄道路線だからだ。当時は張家口まで8時間かかっていたという。

しかし、この歴史ある路線は、2022年の北京冬季五輪が決まると、高鉄の建設のため、2016年に廃線となっている。その歴史ある鉄道が復活をしたということから鉄道ファンに注目をされている。

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▲1900年代始めの京張線の工事の様子。中国で初めての純国産鉄道路線として、鉄道ファンには格別の思い入れがある。

 

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▲開通当時の京張線。張家口まで8時間かかったという。現在の高鉄は最短47分で結んでいる。

 

万里の長城へも高鉄で観光

また、京張高鉄は、鉄道ファンでない人にも注目されている。万里の長城の観光スポットとして有名な八達嶺駅が設けられた。今まではバスや車で行くしかなかったが、今後は高鉄で万里の長城見物ができることになる。

発達嶺駅は深度102mの地下駅となり、世界で最も深い地下駅となっている。また、高鉄列車は万里の長城を地下トンネルで抜けて走ることになる。北京北駅から八達嶺駅までは33分で到着する。

北京市では、2022年の北京冬季五輪をきっかけに、京張高鉄もひとつの観光資源としてアピールしていく計画だ。

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▲京張高鉄の路線図。全長173kmに10の駅、2つの支線が設けられ、北京と張家口を結ぶ。

 

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