中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

ゲーム業界から注目される女性プレイヤー。「彼女ゲーム市場」とは何か

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明日、vol. 024が発行になります。

 

中国の小売業の世界では、重要な消費者群を序列化した「若い女性>子ども>女性>高齢者>犬>男性」という言葉があります。もちろん、半ば冗談ではあるのですが、本質をついている部分もあります。
確かに若い女性は買い物が好きで、男性は必要なもの以外買い物をあまり楽しまない傾向にあります。小売業から見た重要度は、犬(ペット)以下なのです。

 

しかし、ゲーム市場では、この序列が通用しませんでした。ゲームは若い男性のものだったのです。しかし、それが次第に女性もゲームを楽しむようになり、重要な消費者と考えられるようになっています。
このようなことから、女性ゲーム市場を「Her Game Market」(彼女ゲーム市場)と呼ぶようになっています。


女性が、スマートフォンカジュアルゲームや、イケメン男性が多数登場する恋愛シミュレーションを楽しむというのは中国だけでなく、日本でも韓国でも起きている現象です。しかし、中国の場合、少し異なっているのが、男性に好まれるようなバトル系のゲームでも女性プレイヤーの割合が高いことです。


例えば、MOBA(Multiuser Online Battle Arena)と呼ばれる種類のゲームがあります。ネット経由で3人ほどのチームを組んで、別チームと闘うという内容のゲームです。チーム内では音声で指示を出し合うことができ、プレイヤーの強さとともにチームの戦略も重要になるバトルゲームです。
中国で最も人気のあるMOBAは、テンセントが2015年にリリースをした「王者栄耀」です。バトルゲームであるので、以前の感覚だと、男性向きのゲームになります。実際、小学生、中学生の男の子たちの間で大人気となり、王者栄耀を遊びたいがために親にスマホをねだる子どもたちが続出しました。あまりの過熱人気ぶりに社会問題ともなり、2016年7月にはテンセントが12歳以下の子どもは1日1時間しか遊べず、夜9時以降も遊べないという制限をする機能を追加したほどです。

 

王者栄耀がもうひとつ世間を驚かせたのは、女性プレイヤーの多さです。2017年に企鵝智酷が行った調査では、女性比率が51.7%となり、男性を上回っていたのです。なぜ、バトルゲームのような男の子向けのゲームに、多くの女性が惹かれるのでしょうか。
女性プレイヤーの80.6%が「王者栄耀が初めて遊ぶMOBA」だと答えています。ここを境に、女性が、それまで男性向けと考えられていたゲームを楽しむようになっています。
最近人気の「PUBG Mobile」や「荒野行動」は、限られた区域の中でプレイヤー同士が殺し合いをして生き残りを図るというかなり殺伐としたゲームで、さすがに男女比は7:3ほどですが、それでも以前の感覚からすると、「女性が当たり前のように参加している」ゲームになっています。


女性が、癒し要素の多い放置ゲームや落ちゲーム、女性向けの恋愛シミュレーションゲームをするのは当然ですが、以前は男の子のものと見られていたMOBAやFPSファーストパーソン・シューティング=一人称視点のシューティング)なども楽しむようになってきています。
この変化により、ゲーム市場にとって、女性プレイヤーが重要になってきているのです。それが「彼女ゲーム市場」と呼ばれるようになっています。

 

このような変化が起きたことに大きく影響しているのが、ゲームのビジネスモデルの変化です。スマホゲームではPay to Winという考え方が支配的でした。しかし、王者栄耀が登場した2015年頃からPay to Funという考え方が登場してきました。これが女性を惹きつける要因になりました。
この2つの考え方はどう異なるのでしょうか。


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