中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

1日で420億円の商品を売る。網紅の桁外れの販売力の仕組み

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中国の小売やマーケティング関連で、絶対に知っておかなければならない言葉が「網紅」(ワンホン)です。網はネット、紅は人気という意味で、「ネットの人気者」、インフルエンサーといった意味です。日本人にわかりやすく説明するときは、中国版ユーチューバーなどと言うこともあります。
ただし、日本のユーチューバーとはビジネスの仕組みが大きく違っています。日本のユーチューバーは、面白い動画を公開して、視聴者を集め、それに付随するCMの配信料が収入源です。これは基本的には地上波テレビと同じビジネスモデルです。
中国にも似たようなビジネスモデルで収益を得ている人もたくさんいますが、網紅と言ったときは、ライブ放送などで商品を紹介して、その商品が売れると生じる販売手数料で収益を得ている人たちのことを指します。内容は、日本のテレビショッピング番組とよく似ていますが、その規模がまったく違います。

 

アリババのECサイト「淘宝」(タオバオ)では、タオバオライブという機能があります。ここでライブ放送をして、商品を紹介すると、その商品が売れるたびに、販売価格の14%が配信者の収入になります。ここから多くの網紅が登場しました。
その中でも圧倒的なトップ網紅が「薇婭」(ウェイヤー)と「李佳琦」(リ・ジャーチ)の2人です(名前の漢字が機種依存文字になっていて表記できない場合があるので、以後は名前の読みをカタカナ表記します)。
2019年11月11日の独身の日セールで、この2人はタオバオライブで午後8時頃から深夜1時頃までライブ放送をし、さらに他のメディアでも放送をし、わずか1日でウェイヤーは27億元(約420億円)、リ・ジャーチは10億元(約155億円)の商品を売り上げました。


この規模の大きさはなかなか理解できないと思います。埼玉県越谷市にあるショッピングモール「イオンレイクタウン」は、mori、kaze、アウトレットの3つのモールが集まっていますが、その中の専門店モールmoriの年間売上は480億円ほどです。ウェイヤーは、このモールとほぼ同じ売上を、わずか1日で売上げてしまうのです。そのうちの14%がウェイヤーの収入となるので、彼女はわずか1日で60億円ほどを稼いだことになります。


すごいというより、にわかには信じられない話です。しかも、ウェイヤーには負けるものの、同じような影響力を持つ網紅が何十人もいます。そこから「網紅経済」という言葉も生まれてきています。
網紅は、なぜこんなに大量の商品を販売する影響力を持つことができるのでしょうか。今回は、網紅が持つ影響力の仕組みについてご紹介します。


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