中華IT最新事情

中国を中心にしたアジアのテック最新事情

人口ボーナス消失とZ世代。経済縮小が始まる

まぐまぐ!」でメルマガ「知らなかった!中国ITを深く理解するためのキーワード」を発行しています。
明日、vol. 011が発行になります。

 

中国では、新しいテクノロジーを活用したビジネスが次々と生まれてきています。彼らは、やる前に考えるのではなく、やってから考える人たちなので、中国は、新しいテクノロジー、新しいビジネスの実験場になっている観があります。しかも、「失敗は成功の母」の言葉通り、たくさんの失敗もやってくれます。100の新しい挑戦が生まれたら、99はだいたい失敗です。
中国はせっかく1つの成功例と99の失敗例をセットで提供してくれているのですから、私たち日本人が学ばない手はない。それがこのメルマガの趣旨です。

 

一方で、「中国なんかに学ぶことは何ひとつない」とおっしゃる方もいます。その気持ちもとてもよくわかります。なぜなら、日本人の目から見ると、中国人の研究開発やビジネスの進め方はとても危ういものに映るからです。
日本であれば、しっかりと議論をし、綿密な計画を立てて着手するようなことでも、中国人はあまり考えずに見切り発車してしまいます。そして、案の定、想定もしていなかった事態が起きて、常に対応におおわらわで、120%の全力疾走を強いられる。多くの企業がその途中で転けてしまい、うまいこと切り抜けた企業のみが総取りをして、急成長をする。日本人の感覚からすると「めちゃくちゃ」と言ってもいいぐらいです。

 

しかし、これはどちらが正しいということではありません。日本の計画的で慎重な進め方は、平常運転に向いた手法です。列車を毎日同じ時刻表で走らせるなどというのは得意中の得意。しかし、新しいことを始めるには、時間がかかります。
一方で、中国の見切り発車、走りながら考える的な進め方は、新しいことを始めるのに向いた手法です。新しいことというのは、誰もやったことがないのですから、何が起きるかは誰もわかりません。それなのに、始める前に考えても意味はないのです。どうせ、やってみれば想定外のことばかり起こるわけですから、人より早く始めて、たくさんの経験を積んだ方が有利なのです。ただし、みなさんよくご存知の通り、平常運転には向きません。「こんな単純なことで、なんでこんなことが起きるのだ」というのは、中国に行った日本人の誰もが経験しています。
これにより、特にここ20年は、中国で次々と新しいテクノロジーを活用したビジネスが生まれてくることになりました。

 

ただし、この中国的な手法がうまくハマったことの前提には、30代、40代という主力の消費者であり主力の労働力である人口が増えて続けてきたということがありました。消費市場が拡大を続けていたので、多少の失敗は、市場の成長に隠れて吸収をされていたのです。だから、大胆に新しいことを行うことができ、多少の失敗を気にすることなく、前に進めていました。
しかし、これからは違います。いよいよ、若者の数が減少に転じます。中国の主力消費市場が縮小に転じることになるのです。ビジネスが縮小をしていくばかりでなく、今までのような大胆なビジネスの進め方はできなくなります。日本と同じように、小さな失敗が命取りになりかねない時代に入ります。


この「人口ボーナス消失問題」は、多くの経営者の頭を悩ませています。今も、新しいテクノロジー、新しいビジネスが次々と登場していますが、その多くは、この人口ボーナス消失問題を見据え、新しい市場を探ろうという狙いを持っているものばかりです。
中国経済は、改革開放以来、右肩上がりの成長を続けてきて、日本のメディアが「今度こそ中国経済は崩壊をする」と論評しても、それを物ともせずに乗り越えてきました。しかし、人口ボーナス消失ばかりはどうにもなりません。改革開放以来、最大の高い壁ではないかと思います。中国経済は試される時期に差し掛かっています。
しかも、時間がありません。さまざまな産業に、この人口ボーナス消失問題の悪影響が現れ始めているのです。


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