11月11日の独身の日セールを控えて、ECサイトを運営するアリババ、京東などでは臨戦態勢に入っている。関係するエンジニアはもう家には帰れない。徹夜続きで、廊下には無数のテントが並び、その中で仮眠をとる。その状況を、インターンとしてアリババにきている学生がSNSにアップし、話題になっているとDE志願が報じた。
買い物に狂ったように喜ぶ1日がやってくる
11月11日、独身の日セール。中国人の誰もがECサイトで、超爆買いをする日だ。アリババのタオバオ、Tmall、京東の京東商城などの主要ECサイトだけで、4兆円を超える売上があり、10億件の宅配便が発送される。日本のアマゾンの1年間の売上が約1.3兆円であることと比べると、いかに常軌を逸したセールであるかがわかる。中国ではすでに「独身の日」という言い方は影を潜め、「ダブル11」「購物狂歓節」と呼ばれることの方が多くなっている。買い物に狂ったように喜ぶお祭りなのだ。
▲11月11日独身の日セールは、本来は独身者が自分のご褒美にECサイトで買い物をする日として始まった。今では「購物狂歓節」=買い物に狂うように歓ぶお祭りと言い方が一般的になってきている。
1ヶ月前から臨戦態勢、エンジニアは会社で寝泊まり
ECサイトを運営するアリババ、京東では半年前から準備を進め、特に直前1ヶ月は臨戦体制となる。万が一11月11日にサイトが落ちるようなことがあれば、数千億円の売上を失ってしまうのだ。しかも、1人で10個、20個を買うのは当たり前。異常な数のアクセスが殺到し、それはDDoS攻撃を受けているのと変わらない。
サーバーを増強するだけでなく、アクセス経路をよく検討し、リソースを最適配分していく必要がある。計画を立てては、小規模なテスト運用をし、問題点を洗い出し、それを解決していく。20日前になるとエンジニアは家に帰れなくなるのが当たり前だという。
▲杭州市にあるアリババ本社。11月11日のセール準備は,半年前から始まり、1ヶ月前からは臨戦態勢となる。
アリババ社内に現れたテント村
この最中、アリババのインターン学生がSNSにあげた1枚の写真が話題を呼んでいる。それは「アリババでは、ダブル11が近づくと、あちこちにテントができる。今年の売上は2000億元(3.3兆円)を突破できるかも」というもの。
この写真が話題になったのは、いろいろな理由が重なっている。中国では985工程という大学の水準を引き上げるプロジェクトが遂行されている。98年5月に定められたもので、個性のある大学に重点投資をして、国際水準に引き上げようというものだ。
例えば、プロジェクトが始まる前の1995年には理系の大学である清華大学は、MITとは比較しようもない大学にすぎなかった。しかし、外国人講師を招聘する、研究機関を設立するなどの投資を行った結果、2005年には博士号取得者数、特許取得数などでMITを上回るようになった。それだけでMITと同水準であるとは言えないものの、国際レベルに追いついていることは確かだ。
▲インターン学生がSNSにアップした写真。廊下にテント村ができている。中ではエンジニアが仮眠をしている。
985工程のエリート学生も驚く臨戦態勢
この985工程は、年を追うごとに多くの大学に適用され、さらには2011年になって39カ所の高校にも適用され、世界に通用するエリート人材教育が行われるようになった。その1期生が来年からいよいよ社会に出てくる。
実際にそうであるかどうかはともかく、985学生と言えば、高い水準の国際的な教育を受けているが、現実の社会を知らず、打たれ弱いというイメージがある。
アリババでは、毎年大量のインターン学生を受け入れているが、初めて独身の日セール対策の厳しさを知り、就職はアリババではなく、別の会社にしてしまうのではないかと話題になったのだ。実際にこの時期に、病院に搬送されるアリババ社員も少なくないそうだ。
しかし、アリババの待遇は図抜けている。いい報酬をもらうことは簡単ではない。それはインターン学生もわかっている。
今年の独身の日セールは、昨年の記録をさらに塗り替えることになるだろうか。
▲空きフロアに設けられた大規模なテント村。インターン学生、新入社員は、この11月11日で、アリババの仕事の厳しさを知ることになる。
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