インドネシアのジャカルタとパレンバンで開催されたアジア大会2018。中国が289個のメダルを獲得し、圧倒的な存在感を放った。しかし、中国が存在感を見せたのは、競技だけでなく、大会を支えるインフラや用具を納入する中国企業もだったと千島日報が報じた。
中国製品の見本市と化しているアジア大会
インドネシアで開催されたアジア大会では、大会を支える技術の多くに中国企業が関与した。アジア大会はすでに中国企業の見本市とも化しており、中国企業にとっては自社の製品やテクノロジーを宣伝するのに絶好の機会になっている。その中でも、インドネシアアジア大会では5社の中国企業が話題になった。
1)低空守衛者
中国航天科工(元国防部所属の宇宙開発組織)の二院207所と同物資部が共同開発した低空守衛者。開会式や屋外競技場に設置され、不審なドローンが侵入した場合、自動で発見をし、追尾し、その映像を自動でジャカルタ警察とアジア大会安全指揮コントロールセンターの大型モニター上に映し出す。
中国航天科は、インドネシアの気象条件や地理環境に適合させるため、以前からインドネシア軍と政府関係者と協力して実証実験を進め、最終的に採用に至った。
▲中国航天科工が納入した「低空防衛者」。不正に侵入したドローンを自動補足し、ジャカルタ警察やアジア大会セキュリティセンターに設置された大型モニターに映し出す。
▲低空防衛者は、インドネシア軍と政府関係機関との共同実験を経て、正式採用された。
2)スポーツ器具
今回のアジア大会の中継ではあちこちに「泰山」のロゴを見ることができた。泰山体育産業集団は、中国最大のスポーツ用品メーカーで、2008年の北京五輪の時に多くの器具を納入して急成長した。
アジア大会でも指定器具メーカーの常連となっており、今回のインドネシア大会でも武術、トランポリン、柔道、体操などの試合用器具やトレーニング器具を提供し、さらに数百名のメンテナンススタッフを現地に送り込んだ。
▲アジア大会中継で目立ったのが「泰山」のロゴ。北京五輪で急成長をしたスポーツ用具メーカー。
3)エコ、省エネシステム
インドネシアは熱帯雨林気候で、試合をする選手、観戦をする観客にとって、気温と湿度の条件が厳しい。暑さ対策が、アジア大会組織委員会の最大の関心事になっていた。
広州の紐恩泰新エネルギー発展有限公司は、ヒートポンプを提供した。試合会場のプール、さらには選手村、メディアセンターなどにも設置され、一定の温度を維持し、ゴミなどをろ過し、消毒を行い、試合に適した水を提供する。また、選手村などの生活温水としても提供され、アジア大会中に数万人が利用した。
▲紐恩泰新エネルギー発展が納入したヒートポンプ。プールの水の濾過などの他、水温を一定に保つ。
4)都市交通システム(LRT)
アジア大会中は、多くの観客がジャカルタとパレンバンを訪れ、交通が混雑する。その混雑を緩和するために、パレンバン国際空港からパレンバンのジャカバリンスポーツシティまでの45kmを結ぶ。途中には高架式の駅が13設置される。このパレンバンで初となるライトレール(LRT)の建設は中国港湾が行なった。
▲パレンバン国際空港からジャカバリンスポーツシティまでの45kmを結ぶLRT。
5)ボランティアとスタッフのユニフォーム
アジア大会のボランティアとスタッフのユニフォームは、中国ブランドの361°が提供している。361°は、アジア大会では3回連続してユニフォームを提供している。その他、中国で開催されるユースオリンピックなどの国際大会では、ユニフォーム提供の常連となっている。
▲アパレルブランド361°がデザインした大会ボランティアユニフォーム。アジア大会のユニフォーム納入企業の常連となっている。
▲ボランティアユニフォームのTシャツ版。
アジア大会は中国企業の見本市にもなっている
この他、放送設備、自動車、会議システム、スマート家電、電子機器など、至るところで「中国企業提供」の製品が見られ、アジア大会は中国企業の見本市になっている。日本製品はポカリスエットとキヤノンのカメラぐらいになってしまっている。
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