中国各都市で始まっている自動運転車の公道走行実験。その中で、物流企業「蘇寧物流」が、上海市の奉賢物流基地内で、40トントラックの自動運転試験に成功したと、物流商用車が報じた。
自動運転はマイカーよりも商用車から
自動運転は、個人用のマイカーよりも商用車の方が普及が早いと見られている。ひとつは事故が起きた場合の被害を考えると、人を乗せる車よりも貨物を乗せる車の方が影響が小さい。もうひとつは、商用車は走行の目的が明快なので、自動運転のハードルが低いのだ。
中国ではすでに、天津港に中国重汽製の大型トラックHOWO T5Gを自動運転車(L4)に改造した車両が投入され、試験運用が始まっている。その他の物流企業も、物流拠点で自動運転車の試験走行を始めていて、物流と自動運転の組み合わせはすでに目新しいものではなくなっているという。
▲天津港で試験が進む中国重汽製の大型トラック。この試験を皮切りに、多くの商用車メーカーが、路上試験を始めている。
閉鎖区域である港などの物流拠点が注目されている
物流拠点は、自動運転に向いている。ひとつは閉鎖区域であり、一般人が入れないため、不測の事態が起こりづらい。また、レーンマークやビーコンなど補助設備も必要であれば整備しやすい。それを見越して、一汽解放、福田汽車などの商用車専門メーカーだけでなく、蔚来汽車、吉利汽車、威馬汽車、長安汽車、広州汽車、上海汽車などのメーカーが、トラックを中心とした商用車の自動運転技術を開発し、そこにBAT(百度、アリババ、テンセント)が投資をするというホットな分野になっていた。
▲上海・奉賢物流基地で走行した自動運転車。現在は、物流拠点内の自動運転を目指しているが、将来的にはそのまま公道に出ていくことになる。
▲蘇寧物流の走行試験の様子。歩行者を感知して停車する様子が映されている。物流拠点という環境では、歩行者が出てくることは基本的にないので、自動運転が応用しやすい場所だ。
空の無人化vs陸の無人化
蘇寧物流は、4月から、南京市で、小型無人配送車「臥龍一号」の走行実験を始めている。これは、諸葛亮孔明が発明したと伝えられる無人運搬具「木牛流馬」からの命名だという。
蘇寧物流は、物流拠点の無人運転化、宅配配送の無人運転化から始め、L4(特定の環境下の自動運転)を広げていき、ドライバーの負担を減らしていく計画だ。また、末端配送ドローンの開発も進めている。
同じ物流企業である豊順は、有人貨物飛行機+無人貨物飛行機+ドローンという空の無人化を目指している。陸の無人化と空の無人化のいずれが実現性が高いかは今のところわからないが、いずれにせよ、中国の物流は猛スピードで無人化されていくことだけは確かだ。
▲南京市で走行実験が進んでいる「臥龍一号」。個人宅、オフィスまでの末端配送を自動運転化することを狙っている。
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