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赤信号を無視する歩行者は、ネットでも個人情報を晒します

深圳交通警察は、続出する横断歩道の信号無視歩行者に対処をするため、顔認証技術を使った警告パネルを設置した。ここに違反者の顔写真が一定期間表示される。それだけでなく、最近、ウェブでも違反者の個人情報を晒すという策を実行したと映像新聞が報じた。

 

違反者の顔を認証して個人情報を特定

この信号無視監視システムは、深圳市だけでなく、済南市、福州市、重慶市などにも設置されている。横断歩道の信号が赤になったのに、停止線より先で動く物体を感知すると、4枚の写真と15秒の動画を自動撮影する。さらに、この映像を画像解析し、人間の顔部分を特定。さらに、公安部が保有する身分証データベースと顔認証照合をして、違反者の名前、身分証番号、住所、勤務先を特定する。

現在は、そのまま違反切符や罰金を科すことはしていないが、横断歩道横に設置された大型液晶パネルに、一定期間、顔写真が晒される。また、居住地の地区コミュニティーあるいは勤務先に通知がいき、地区委員や上司から警告をしてもらう。

tamakino.hatenablog.com

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▲赤信号時に動く物体を発見すると、4枚の画像と15秒の動画が撮影され、顔部分が特定される。顔認証で、身分証データベースと照合され、個人情報が特定される。

 

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▲深圳市の交差点に設置された大型液晶パネル。違反者の顔写真が一定期間、ここに表示され、多くの人に晒されることになる。

 

プライバシー問題はあるものの効果は絶大

昨年5月から試験運用が始まったこのシステムは、大きな議論を呼んだ。信号無視程度で顔が晒されるというのは、いくらなんでもやりすぎなのではないか、プライバシーの侵害なのではないかというのだ。

しかし、交通警察側は強気だ。なぜなら、違反者は信号無視を軽い違反だと考えているが、実際に死亡事故に結びつく危険な違反であり、このシステムを導入してから、明らかに信号無視が減っている。効果は絶大だというのだ。

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▲深圳交通警察が作成した信号無視違反者公開ページ。名前、身分証番号も一部が公開されている。https://www.stc.gov.cn/facei/

 

ネットでも違反者の写真を公開し始めた新鮮交通警察

深圳交通警察は、さらに効果を上げるため、今度は写真をネットで公開するということを始めた。それだけでなく、氏名、身分証番号に関しても、一部を伏せて公開をしている。

一応、顔に関しては、モザイク処理がされているが、わざとなのか、うっかりなのか、モザイク処理がされていない画像も公開されている。

しかし、以前、監視システムが導入された時と違って、反論する声は少ないようだ。このシステムの効果により、信号無視が激減しているからだ。現在、ネットで違反者情報を公開しているのは深圳市のみだが、同じシステムを導入している他の都市でもネット公開が始まるかもしれない。

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▲実際にネットに公開された写真。信号無視だけでなく、歩きスマホまでしている。氏名、身分証番号も一部が伏せされた状態で公開される。

 

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▲同じく公開された写真だが、なぜか顔にモザイク処理がなされていない。処理を忘れたのか、それとも意図的なのかはわからない。

ミニオンズ マウスパッド 横断歩道 #1078

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