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中国の富二代知名度ランキング

富豪の子女は、中国では「富二代」と呼ばれる。中には経済力に甘えて遊びまわっているだけの富二代もいるが、一方で、自分でも努力をし、親を越えようとしている人もいる。今日頭条は、その富二代中でも知名度の高い4人を紹介している。

 

中国の上級国民=富二代

日本でも最近、冗談交じりに「上級国民」という言い方があちこちで使われるようになっている。富裕層の家庭に生まれ、豊かな経済力と多彩な人脈を生かして、人生をイージーモードで生きているという嫉妬と批判が込められた言葉だ。

中国でも同じような意味で「富二代」という言葉がある。富裕層の子弟のことで、生まれながらにして人生が約束されている人という意味だ。

しかし、中国では「富二代」は、2つのクラスターに分かれている。ひとつは、侮蔑の対象で、もうひとつは憧れの対象だ。

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▲ダメな富二代の例。高級車で交通事故を起こした富二代が、中国のメディアではたびたび報道される。

 

恵まれていても、それ以上に努力をする富二代が庶民から評価される

侮蔑の対象となる富二代は、富裕層の子弟に生まれたのに、努力をせず、遊びまわっている人たち。よく、高級車を乗り回し、事故を起こしている映像や写真が報道されている。

一方で、憧れの対象となるのは、親を上回る努力をし、親の財力と人脈を活かして、さらに豊かになっているような富二代。

日本では、親の財力や人脈を利用するのは、ともすると不公平というような目で見られることがあるが、中国ではそのような感覚は薄い。「あるものは利用すればいい。むしろ、利用しないのは愚かなこと」という感覚がある。

もうひとつは、大学受験が、科挙の伝統もあって、暗記物中心の受験勉強であることも大きい。暗記物は、確かに「頭のよさ」を問うものではないかも知れないが、努力をしなければ高得点が取れない。一方で、頭のよさを問う応用問題は、出題者がいかに工夫をしても、パターンを分析されたり、攻略法が開発されたりする。受験産業がこのような分析を行うので、それをお金で買えば、要領よく攻略できる。

つまり、暗記物中心の試験というのは、親の経済力でなんとかできる部分が少なく、本人の努力を測定することができるのだ。

名門校に進学をした富二代は、少なくても大学入試に関しては、本人が努力をしたということになる。中国の人は、そこは素直に認めるのだ。

 

第4位:劉亦菲(りゅう・えきひ)

父親は大学教授だったが、母がある富豪と再婚したため、富二代となった。父親が中国富豪番付27位の北京通産出資集団の会長。本人は、エンターテイメントコンテンツを供給する事業を行っていて、国内の映画からハリウッド映画までを扱っている。

父親からビジネス上のアドバイスはしてもらっているが、人的支援、経済的支援は受けてなく、本人の力で現在のビジネスを確立したことが多くの人から評価されている。

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第3位:王思聡(おう・しそう)

父親がアジアでも有数の富豪である王健林。その一人っ子であるため、「銀の匙をくわえて生まれてきた」というフレーズをもじって、「金の匙をくわえて生まれてきた」と言われる。すでに中国の大手映画館チェーン「ワンダ・シネマ・ライン」の1000万株をもつ大株主。

ウェイボーで大胆な発言をすることでも有名。

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第2位:楊成瑞(よう・せいずい)

父親が石炭関係の会社の社長であるということ以外、家族については本人も語らず、謎に包まれている。本人は、歌が好きで、歌手として活躍している。ステージ衣装として、高級ブランドの服や装飾品を使うことで有名。

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第1位:柳青(りゅう・せい)

北京大学コンピューター学部を2000年に卒業し、その後、ハーバード大学に留学。現在、ライドシェア、タクシーサービスの滴滴出行の総裁を勤めている。「富二代でありながら、本人も努力している人」として、多くの若者から支持を集めている。父親は「中国のITの父」と呼ばれるレノボの柳伝志董事局主席。親子ともども、中国のIT界のキーパーソンとなっている。

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