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悪ノリするシェアリングミスキャンパスが炎上状態に

9月20日、北京交通大学のキャンパス内に突然「シェアリングミスキャンパス」と称する15人の女性が登場し、イベントを行った。日本のグループアイドルそっくりのイベントだったが、北京交通大学は遺憾の意を表し、ネットでは「気持ちが悪い」と炎上状態になったと北京青年網が報じた。

 

北京交通大学に突如登場した15人のアイドル

中国では何から何まで”シェアリング”が登場している。シェアカー、シェア自転車、シェア雨傘、シェアモバイルバッテリーなどは、すでに使っている人も多い。さらには、悪ノリをして、シェア恋人、シェア妻なども登場していると報道されている。しかし、少々悪ノリがすぎるようになってきたようだ。

9月20日午前、北京交通大学の学生寮の前に、突如15人の女性が登場して、イベントを勝手に行った。白いブラウスにチェックのミニスカートを履いて、「シェアリングミスキャンパス」と称している。イベントの内容は、指定されたQRコードを読み込んでアプリをダウンロードすると、好きなメンバーと5分間、愛を語れるというものだった。

5分間愛を語れるといっても、実態は男性とツーショットの写真を撮ったり、握手をしたりするもので、日本のグループアイドルの握手会のフォーマットをそのまま利用している。

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▲突如、学生寮前に登場した15名の「シェアリングミスキャンパス」。しかし、北京交通大学とはまったく無関係の、アプリの宣伝活動だった。

 

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▲「5分間恋愛ができる」という触れ込みだったが、多くの男性は握手やツーショット写真といったシンプルなお願いをしたようだ。

 

「強烈に憤慨」した大学当局

しかし、世間の反応は、意外にも過剰に厳しいものだった。

まず、北京交通大学の管理部が不快感を示し、当日の夕方には、北京交通大学のウェイボーで声明を発表した。

「声明:調査の結果、本日、北京芸偉徳文化メディアは学校のいかなる部門の許諾も得ず、管理者の許可もなくキャンパス内の学生寮に立ち入り、いわゆる「ミスキャンパス活動」を行った。これが世間の高い注目を浴び、本校の教員学生は強烈に憤慨をしている。学校当局は、事実を知った後、すぐに活動を停止させ、排除した。本校は、このような活動に堅く反対し、さらに事実を精査した上で、関係者に厳格な対応をし、合わせて運営組織に対し、法律的な責任を追及する」。

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▲北京交通大学のウェイボーのコメント。「強烈に憤慨」という強い言葉で、学内で勝手に行われた宣伝活動を非難した。

 

やりすぎて炎上した宣伝活動

この手の中国語の分は、強い口調になりがちだが、それを割り引いても、かなり怒っている様子が伝わってくる。

ネット民の評判も最悪だった。ウェイボーの投稿により、ミスキャンパスの活動ではなく、北京芸偉徳文化メディアが開発したスマホアプリの宣伝活動であることが暴露されてしまったからだ。15人の女性たちは、北京交通大学の学生ではなく、それどころか大学生でもなく、金銭で雇われたモデルであることも暴露された。

「5分間の恋愛」というフレーズも過剰に反応された。見ず知らずの異性と、いきなり恋愛関係になるのが気持ち悪いと酷評されたのだ。また、簡易ステージにはさまざまなコピーが書かれていたが、「私の目にはあなただけ」「おしゃべりはやめてキスをして」というコピーの他、「あなたにラーメンを食べさせてあげる」というフレーズが問題になった。「麺を作る」と「下半身」の掛詞になっていて、「私の下半身をあなたに食べさせてあげる」というかなり直接的で下品な表現にも読めるのだ。

北京芸偉徳文化メディアは、北京交通大学や世間からの指摘を受けて、アプリの公開を中止した。

中国では、シェアリング経済が急成長をしているが、何でもかんでも「シェアリング」をつければ注目されるという段階は終わっている。シェアリングブームに便乗する者たちに対して、ネット民の反応は厳しい。

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▲イベントに出演した15名は、大学生ではなく、金銭で雇われたモデルだった。男性の行列は、特定の数名の女性に集中し、イベントは終始微妙な空気感の中で進んだという。

 

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▲それでも「5分間の恋愛」を求めて、男性が行列を作った。なぜか、犬まで並んでいるのが、ネットで話題になっている。