中華IT最新事情

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嫌われる「4」。枯渇する中国の携帯電話番号

中国の携帯電話番号の割り当てが枯渇しようとしている。桁数を増やすことも検討されているが、それには携帯電話網の大掛かりな改修が必要となり、莫大な資金が必要となる。一方で、中国人が4という数字を嫌う習慣があるため、4を含む携帯電話番号が死蔵されている。なぜ、中国人は4という数字を嫌うのか、IT八卦が解説した。

 

縁起の良い番号のお値段は13億円

中国の携帯電話の番号は、キャリアごとに割り当てた3桁+契約した地域の4桁+個別番号の4桁という構成になっている。日本人は、あまり携帯電話の番号にこだわりを持たないが、中国人はものすごくこだわる。特に8が大好きで、8888のように8が並んだ番号は高値で取引をされている。8と「発」の音が似ていて、中国人にとって「発財」(金運に恵まれるの意味)は、新年の挨拶のひとつとなっているほどだ。

その他の数でも、並び数字が大好きで、133-3333-3333、155-5555-5555の番号は、それぞれ1600万元(約2億6000万円)で取引されたことがあり、188-8888-8888はまだ番号が発行されていないのに、予約の権利が8000万元(13億1700万円)で取引された。

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▲連番の携帯電話を販売する業者を繁華街で見かけることができる。ネットでも売買が行われ、縁起のいい連番は高値で取引されている。

 

末尾の4、74は嫌われる

ところが、なぜか144-4444-4444の番号は誰も欲しがらず、売れ残ってしまっている。それだけでなく、キャリアに割り当てられた134-xxxx-xxxxx、144-xxxx-xxxxxは明らかに売れ行きが悪く、各キャリアでは持て余してしてまっているという。日本と同じく、4は死と音が似ているために嫌われるからだ。

また、他のキャリア番号であっても、中に74が入っている番号は嫌われる。74は去死(死んでしまう)と音が似ているために嫌われるからだ。特に末尾が4という番号がことの外嫌われている。

 

日本の習慣が、台湾、香港を経由して広まった

しかし、この4を嫌う習慣は、実は日本から輸入された習慣であるという。それまで中国では、4は決して縁起の悪い数字ではなく、むしろ縁起のいい数字だった。「四通八逹」という成語があり、四方八方に通じているという意味で、交通が便利であることや、ある方面に精通しているなどの意味で使う。東西南北は4つであり、白虎、青龍、玄武(黒亀)、朱雀の4つの神が家や都市を守ってくれていると考える。八の末広がりと似た意味で使われる数字だったのだ。

ところが、1970年代に台湾で、日本の習慣を見て、4を嫌う習慣が広まり始めた。車のナンバー、住所番地などで4が含まれているものが避けられるようになった。これが香港に飛び火し、広州に飛び火し、次第に中国全土に広まっていったのだという。

 

番号を枯渇させないための議論が始まっている

中国ではすでに10億件以上の携帯番号を発行し、桁数を増やす工夫をしないと枯渇をすることが見えてきている。それなのに、4が入っている携帯番号が使われないというのは大きな無駄をしていることになる。

現在は、解約された番号の再利用の期間を短縮してしのいでいるが、今後、どうするのかさまざまな議論が始まっている。最も、有力なのが、契約するときは番号を自動割り当てし、選べないようにするというものだ。その後、個人同士で好まれる番号を売買することは自由なので、気に入らない人は、コストを負担して購入すればいいという考え方だ。中には、「4が入っていても気にしない」という人もいるので、そういう人が増えるうちに、4を嫌う習慣が消えていくだろうというもの。

あるいは、4を含む番号を選んだ人に、キャリアがなんらかの優待を出したらいいという人もいる。

 

そもそも今後も携帯電話の“番号”は必要なのか?

根本的には、携帯番号の桁数を増やさなければならないのだが、現在のIT技術の発達ぶりを見ていると、数年で携帯番号そのものが意味がないものになってしまうかもしれない。

現在でも、電話番号を入力して電話をするということもよりも、WeChatなどのアプリを利用してID番号に基づいて通話をすることが増えている。電話番号は、SIMカードのシリアル番号のようなものになってしまって、ユーザーが意識することはなくなってしまうかもしれないのだ。

それまでに、11桁の電話番号で間に合うか。綱渡りをすることになる。

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